まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

OP-TICKET GAME

ストーリー
男子高校生にだけ与えられるという伝説のおっぱいチケットを入手した七組の男子たち。
そのチケットを集めて完成させれば、そのチケットに書かれた女子のおっぱいを揉むことができるという。
隣席の美少女・高橋唯のチケットを集めるため、トレードに励む相葉だったが……。



土橋先生の新作! と思ってタイトルを見たら「おっぱいちけっとげーむ」。思わず二度見しました。そりゃもう読まないわけがないですよね。
期待に胸を膨らませて読み始めて、ふと気付いたら読み終わっちゃってました。何これ。すっごく楽しい。
あらすじからも分かるように、もうめちゃくちゃ頭の悪いお話なんですが、なぜか惹かれてしまうのはオトコの本能か何かでしょうか。
テーマとなるのは「おっぱい」と「パンツ」という伝統のお色気アイテム。それ以上でもそれ以下でもありません。
クラスメイトのおっぱいを揉むために本気になるおバカな男子高校生たちの姿は、間抜けではあるけれどどこか清々しい。それは汚れた大人たちのように「それ以上」を求めない、純粋純朴な願いだから。これぞ真の意味で青春を描いた小説といえるのではないでしょうか。
あの頃感じていたピュアな気持ちを思い起こさせてくれるストーリーでした。この気持ち、いつまでもなくしたくない。


おっぱいチケットを集めるために創意工夫を凝らす主人公・相葉の思考が面白いですね。
序盤のトレードの話は実によくできていました。ただ一対一でトレードするものだったチケットに次第に価値の差が生まれてきたり、パッと見で得に思われていたことが実は損だったと後になって分かってきたり。かなり真面目です。テーマは不真面目ですが。
しかし本番は生徒会長によるチケット争奪ゲームが始まってから! 「エクストリームスカートめくり」に「パンチラ軍人将棋」。もうこのゲーム名だけで笑えてしまう。
頭は悪いけれどそれぞれちゃんとしたルールがあって、ゲームとしても面白いんだから困ります。ゲームを通して女子の可愛い姿をできるだけ描いていこうという気概も感じられました。感服です。
たこの女子たちが魅力的なんですよね! 唯を筆頭に、まどかやマリたん、愛美に典子などなど。どの女子も光り輝いて見える。
パンツが絡んでくるゲームということで、必ず女の子に恥じらいがあるのが素晴らしいのです。恥じらいは萌えの最重要ポイントだとよく分かっていらっしゃる。
そしてこれだけの女の子が揃っているからこそ、「夢」と表裏一体の「絶望」にも深みが出てくるというものです。ううん、ゾックゾクしてきますね!


物語の片付け方も良かった。なぜかスッキリとした気分です。
ただリビドーにまかせて、何もかもを忘れさせ、笑いでぶっ飛ばしてくれる気持ちいいお話でしたね。
ここから続きがあるとも思えないし、これで完結なんでしょうが、今後も何度でも読み返したくなる1冊でした。夏になったらまた読もう。なんとなく。


イラストは植田亮さん。最高。そのひと言に尽きます。
パンチラ軍人将棋にはぜひイラストが欲しかったけれど、妄想で補完することにしましょう。


一度でいいからスカートめくりハイの境地にたどり着いてみたい。