まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(入門)

ストーリー
幼なじみふたりと夏休みの旅行の相談をする砕月のもとに次々と現れる女の子たち。
干渉の末、静流先輩の別荘でみんなでバーベキューをすることに。
修羅場満載の旅行は、順調に砕月の気力と体力を奪っていき……。



“修羅場特化型”と銘打たれた今回の番外編は、前半が各ヒロインを主人公にした連作短編、後半がヒロイン勢揃いで旅行に行く中編という構成でした。
バグとのバトルなど放っておいて全力でラブってコメってます。た、楽しい。
短編の主人公になっているヒロインだけでも、ハピ子、ハルマラ、優沙ちゃん、千夏、静流先輩、莉子、タマと揃っており、数えてみれば7人。この全員が砕月に好意(?)を持っているんだから、そりゃあ修羅場にもなるというものです。砕月さんほんとどうにかしてくださいよ。あんたの責任だよ……。


各ヒロイン視点で描かれる短編はちょっと新鮮な気分。特に表面的には砕月にデレていないように見える千夏とタマの内心が垣間見えたのは大きな収穫でしたね。
デレッデレなくせに妙に不器用なハルマラ様も、周りのキャラの濃さに勝つために試行錯誤する優沙ちゃんもとっても可愛いのですが、砕月に似合うのが誰かと考えるとやっぱり千夏かタマになってくるよなあと改めて思いました。
いやほんと、タマさんはいいヒロインですね。他のヒロインと違うのは常に砕月よりも上の立場で居続けているということです。優沙ちゃんだったら一発でやられちゃいそうな殺し文句もサラリと流してみせるタマさん超格好良い。千夏も似ていますけど、彼女は意外と砕月に甘いところがありますよね。
放っておいたらどんどん暴走してしまうこんなゲス男の隣には、タマのような女の子こそが立ってしっかりと手綱を握っていてほしいものです。
あ、静流先輩のお話も印象的でしたね。ヤンデレ無双状態の静流先輩とはちょっと違った顔が見られました。
しかし、ただでさえ他の全員を合わせたより愛が重いのに、さらに重みを増してしまったような……。いや、静流先輩はずっとそのままでいてください。


ヒロイン勢揃いの中編は正直ごちゃまぜ感が強すぎてまとまりも何もありませんでしたが、ドタバタギャグとしては良かったです。
普段あまり絡まないタマ&優沙や静流&ハルマラといった不思議な組み合わせが面白いですね。静流&ハルマラは怖すぎ。
さりげなく一番凄いのはこれだけの修羅場のすぐ隣で無関係を装いつつも砕月の親友をやってる宗助だと思いました。尋常な精神ではとてもやっていけない立場ではないでしょうか。


(妄想)(入門)と番外編が連続したけれど、そろそろ本編の続きが出てくれるのかな。
本編がまたずいぶんといいところで続いてくれちゃっているので、早く続きが読みたいですね。
クライマックスまっしぐらという感じの展開ですし、もしかしたら最終巻が近いのかも。ともあれ、次巻も楽しみです。


莉子の短編だけ明らかに雰囲気がおかしい……。