まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

バカとテストと召喚獣11

ストーリー
Aクラスとの勝負に水をさされてしまった明久たちFクラス。
抗議も虚しく、今度は二年生vs三年生で試召戦争をすることになってしまう。
かつてない規模の試召戦争を前に、各クラス代表で会議を行う二年生だったが……。



全二年生vs全三年生! クライマックスにふさわしいお祭りバトルが始まりました。
今までFクラスと戦ってきたキャラクターたちが同じ陣営となって脅威に立ち向かう……なんて書くと実に熱い展開っぽく見えますけれど。
いや実際熱い展開なんですが、「昨日の敵は今日の友」なんていう言葉はどうやら文月学園には存在していないようで、協力プレーが著しく欠如。むしろ仲間割れや足の引っ張り合いが多くてなかなかに見ていられない感じでした。まあいきなり同じチームになれって言われても困るよね。Fクラスだしね。
雄二に発言権が与えられない状況はとてももどかしいし、そんな雄二にいい格好をしようとして無理をしてしまう翔子の姿は痛々しくて切ない。このふたりがしっかり力を発揮すればきっと勝てるということが分かるだけに、なんとも焦れったい場面が続きました。とりあえず根本はダメだ。早くなんとかしないと。
上層部がゴタゴタしてる一方、明久の周辺はわりといつも通りでひと安心。
明久、美波、ムッツリーニ、秀吉、雄二の班に清水さんと玉野さんが合流するという異常事態には笑いました。Fクラスのメンバーに囲まれてなおこの問題児っぷりはさすが。むしろFクラスメンバーを抑えて目立っちゃっているくらいで、うん、やっぱり本物はオーラが違うな!
しっちゃかめっちゃかながらも意外といいコンビネーション(?)を見せる明久・清水コンビなんてものも見られてとても楽しかったです。もう清水さんが最強でいいんじゃないかな。


自分の活躍できる場を奪われ、Fクラスも絶体絶命の危機に立たされて、すっかり冷めてしまった雄二。
そんな雄二を奮い立たせるのはもちろん、あのバカしかいませんよね!!
諦めるとか投げ出すとか、全然Fクラスっぽくないんですよ。ぶつかってはっちゃけて爆発してくれないと。それでこそ、私たちが応援してきたFクラスというものです。
第八問以降はもうテンションが高まりまくって、興奮で手汗が止まりませんでした。ううん、やっぱり気持ちよく盛り上げてくれるよなあ。
そして最後の雄二と翔子をめぐるやりとりね。ひどかったですね。ちょっと雄二さん格好良すぎませんかね! なんだこのニヤニヤは! うわあああああ!
試召戦争へのこだわりの理由が、まさかこんなところにつながってくるとは。なんて素敵。最高。翔子……良かったね……。


さて今度は明久の番です。このまま郄城先輩に姫路さんを奪われてしまうわけにはいきません。そうですよね。
みんなが本気を出した今、正直負ける気がしません。やられてばかりの現状から、明久や雄二はどんな反撃をしていくのでしょうか。今度こそ、クラス間での協力プレーが見られるかもしれません。
姫路さんの秘密、リンネ君の謎、学園長が隠していることなどなど、まだ明かされていないこともたくさん残っています。
本編最終巻予定ということで、色んなことに決着がつけられると思いますが、この作品らしくバカで笑いに溢れた、それでいて熱く燃え上がるようなラストになってくれるはず。大いに期待しつつ、首を長くして待つことにしましょう。


店舗特典の『バカとテストと召喚獣 憂鬱編』、両作品を愛して止まない私にとって宝物のような1編でした。あまりに絶妙なパロディに抱腹絶倒。