まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

新生徒会の一存 碧陽学園新生徒会議事録 下

ストーリー
火神には裏の顔があるらしい、と風見めいくから伝えられた杉崎。
その情報を気にしつつも、火神と一緒に日守の家へと突撃をかける。
ようやく杉崎の前に姿を現した日守は、息を呑むほどの絶世の美少女で……。



上巻で西園寺と水無瀬を籠絡(語弊あり)した杉崎さんは、残る日守と火神の攻略へ。
いやあ良かったです。新生徒会のメンバーも素晴らしいではないですか。上下巻で終わってしまうのがもったいないくらい。
事前の触れ込み通り、前生徒会以上の問題児だらけなんですが、それだけにみんなキャラが濃くて、各ルートをしっかり構築してほしくなるヒロイン揃いでした。


日守東子さん……この子いいよ! 凄くいい! このシリーズは基本的にお姉さんタイプよりもロリヒロインの方が魅力的だと思ってきたのですが、ちょっと考え方を見直す必要がありそうです。
まずこのビジュアルの設定ですが、過去最高の美少女を外伝で出してくるというこのセンスにはもはや脱帽。
その見た目とは裏腹にダウナーでやさぐれた感じの性格。かなり残念な頭の中身。お手本のようなギャップ萌えに撃ち抜かれました。
一方のラスボス・火神北斗サマ。黒い。すごく黒い。この歪み方は嫌いじゃないです。
黒幕モードの彼女もさることながら、デレて以降もまだ他とはちょっと違うデレ方で、やっぱり根っこから歪んでるなと思いました。重い。愛が重い。
正直、火神パパに打ちのめされる杉崎という図はちょっとばかし気持ちよかったです。みんなを笑顔にしてるからとか、どんなにポジティブに受け止めても結局はハーレム。ずっとごまかしつつ読んできたけれど、男の読者としてはまあモヤモヤしちゃうんですよね。
今の杉崎ならこうはならないと確信を持てますが、一歩間違えばそうなってしまう可能性だってあるのです。悲惨な未来を目にしたことは、結果的に杉崎にとっては良かったのだろうと思います。謙虚に頑張ってもらいたいものですね。信じてるから!


それぞれのヒロイン単体でも素晴らしいけれど、全員揃った新生徒会での駄弁りがとても良かったですね。
特に日守×西園寺の組み合わせがとてもおいしい! なんというか百合的に!
西園寺は他のキャラと喋ってこそ本当に輝くヒロインですね。ツッコミが欠如しがちなこの作品にはかけがえのない存在だと思いました。基本ツッコミなのに体質がボケというこの才能。日守もわりとそれに近いものを持っているので、ふたりともボケているつもりはないのにツッコミ合うという事態になるのが実に微笑ましい。
我らが水無瀬さんの杉崎おちょくり芸もキレッキレだし、ラスボス火神さんもロンリーに絶好調だしで、ほんとこのメンバーでもうワンシーズンやっちゃって欲しいです。ないものねだりですが。
最後の最後、満を持しての「彼女」の登場はずるい。こんなんやられたら、もう褒め称えるしかなくなるじゃないですか。
本編終了後の外伝なんて、どんなもんだろうと思いながらの上下巻でしたが、最高に素敵な終わり方でした。
次に出る短編集でシリーズ完全完結ということで、ちょっとしんみりするけれど、ラストまで大いに楽しませてもらいたいものですね。


「水無瀬に下ネタで罵倒され続けて眠れないCD」の発売が待たれる。