まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

月花の歌姫と魔技の王Ⅱ

月花の歌姫と魔技の王II (HJ文庫)

月花の歌姫と魔技の王II (HJ文庫)

ストーリー
秘書であるルーナリアに給料と部屋を用意するために、新しく仕事を探していたライル。
マリーアの仲介で家庭教師のバイトを始めたが、教え子のイルザは明らかに普通の少女では無かった。
イルザとも打ち解けはじめたある日、ライルは彼女の秘密を見てしまい……。



イルザ様! イルザ様うおおおおお!
ライルの生徒としてロリヒロイン・イルザが登場。いやあ素晴らしく愛らしいヒロインでした。完全に彼女に持っていかれましたね……。
いくつもの秘密が隠された才気溢れるお嬢様(10歳)とか最高じゃないですか。初見で「眼帯は余計だな」とか思っちゃってすみませんでした!
初めは大人びて落ち着きのある女の子という雰囲気でしたが、だんだんライルに懐くにつれて、歳相応の無邪気で明るい部分が見えてくるのが良いですね。
今回はそんなイルザを巡るストーリーになっています。あちこち秘密と陰謀だらけで目が回りそうになりますが、ライル、マリーア、ルーナリアと、3人それぞれ別の方面から謎にアプローチしていく構成が面白かったです。


ライルにもルーナリアにもできない仕事を次々にこなしていくのがマリーアさん。メインヒロインの片割れとは思えぬ働きぶりでした。
有力貴族という立場あってのものですが、様々な思惑が渦巻く上流階級でのこの立ち回りは、彼女だからこそできることなのでしょう。格好良いですね。
時にライルの前に立ちふさがるようなこともあるのだけれど、それも彼を想ってこそのもの。ううん、ライルさん愛されてるわあ。そしてこんなに愛されてることを知っておきながらのこのスルーっぷりはいけませんわ。最低野郎ですね!
一方のルーナリアは、芽生え始めたライルへの恋心に四苦八苦する様子がたまらなく可愛かったです。
最初の無気力ぶりが嘘のように、生き生きと、働いたり悩んだり恋したりしているのは、見ているだけで頬が緩んでしまいます。
共通の「敵」に立ち向かう同志としてのマリーアとの関係も良好のようで何より。姉妹みたいですね。
ああ、姉妹といえば、本物のルーナリアの姉も出てきましたけれど……。ルーナリアさんの相変わらずの薄幸ぶりに、胸が痛みます。どれだけ彼女をいじめれば気が済むの。


新たな幻想種の登場もあり、1巻よりも魔法要素強めだったのが、個人的に嬉しいところです。
科学は科学でいいんですが、やっぱり魔法にはロマンがありますね。バトルも派手になりますし。
しかし科学が相手だろうが魔法が相手だろうが関係なしなのが、ライルさんの圧倒的な戦いぶり。この男に弱点というものはないのか。
他のキャラが必死になっているのに、軽々とその上を行ってしまうのが、クールではあるけれどなんか悔しくなってきました。敵サイドもうちょっと頑張れよ!
もう、ライルを追い詰めるには恋愛方面しかないのかもしれません。ルーナリアとマリーアに期待しましょう。あと、直接的にそちらに絡んでくるかどうかは微妙なところですが、イルザやツェツィーリアの活躍も見たいですね。次巻も楽しみです。


終章のイルザ様が素敵すぎて囲われたい。