まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

覇剣の皇姫アルティーナⅡ

覇剣の皇姫アルティーナII (ファミ通文庫)

覇剣の皇姫アルティーナII (ファミ通文庫)

ストーリー
黒騎士ジェロームとの決闘を経て、兵達の信頼を得た皇姫アルティーナ。
ところが安息も束の間、蛮族がシエルク砦へと侵攻してくる。
軍師レジスの采配により勝利を掴んだ皇姫軍だったが……。



蛮族の侵攻、そして要塞の攻略と、立て続けに本格的な戦いが描かれました。
1巻では軍師としてのレジスの見せ場があまりなかったけれど、ようやく本領発揮ですね。
普段はあんなに頼りなさげなのに、いざ兵を動かしてみれば見事な作戦で華麗に勝ちを収めてみせるのだから凄い。
特に「難攻不落の要塞」を落としたこの手腕。逆に今までどうして落とせなかったのか不思議に思えてしまうくらい、あっさりと片付けてしまいました。
作戦の立案や実際の戦闘では、特に切羽詰まった様子もありませんでしたし、まだまだ余裕というところですか。まったく底知れぬ主人公ですね。


レジスが軍師としてやっていけるのも、上にアルティーナが立っているおかげ。
ようやく名実ともに司令官となって、そのカリスマ性がいよいよ明るみに出てきました。
戦士としてのアルティーナも大変魅力的ですが、指導者としてのアルティーナもまた素敵ですよね。
いい意味で子供らしい純粋さと優しさ、民衆を救おうとする強い決意。何より美少女。これで人がついてこなかったら嘘というものです。
まだまだ危なっかしい部分も多いけれど、レジスたち有能な部下の手助けがあれば、国を変えることも不可能ではないでしょう。
また、そんな可能性があるだけに、中央からの圧力も大きくなってくるわけですが……。
もしかしたらラトレイユ皇子とは、近いうちに直接ぶつかる機会があるかもしれません。
今のようにねちねちと嫌がらせを続けられるよりはいっそそちらの方が、とも思うけれど、全面対決にはさすがにまだ早いか。


嫌味ながらもいい仕事ぶりのジェロームや、有望な新キャラ・エリックなど、脇役たちもそれぞれ活躍してくれました。
軍も次第に大きくなってきて、またレジスの作戦にも幅が出たのではないかと思います。次はどんな戦いが見られるのか、期待が高まりますね。
次は帝都での話ということで、今回のような戦いはないかもしれませんが、そこはかとなく漂う陰謀のにおい。
皇子がどんな思惑で、どんな仕掛けを用意しているのか。アルティーナはそれにどう対抗していくのか。
そして、アルティーナとレジスの関係に進展があるのかどうか。色々気になるところだらけで、次巻も実に楽しみです。


エリックの「ちょっとした秘密」というやつに、心当たりどころかもはや確信めいたものを抱いているわけですが……。