まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(妄想)

ストーリー
優沙と静流、ふたりの美少女と同時に付き合っているゲス男・砕月。
その砕月を超えるダメ人間の義父に丸め込まれ、ふたりとダブルブッキングでデートをすることになってしまう。
ふたりを傷付けないよう、なんとかバレずに乗り切ろうとする砕月だったが……。



「日常修羅場編」なる短編集。3話収録されているのですが、どれも砕月が女性関係でピンチに陥る日常回でした。
まあ、砕月の修羅場はいつものことですけれど、バトルやシリアスがメインではない分だけ、よりギャグ特化のドタバタが楽しかったです。もう終始笑いっぱなし。
普段のバグやウィザードとの戦いでは、どうしても優沙ちゃんや静流先輩といった人間ヒロイン勢の出番が少なくなってしまいますから、彼女たちの可愛い姿がたくさん見られるだけでも十分に満足感がありますね。もちろんゲツ君のゲスっぷりもね。


第1話の舞台は砕月とタマが出会う前、まだ二股がバレていない頃。
「この義父がひどい」アワードがあったら入選確定の砕月パパさん。この親にしてこの子ありと言いますが、さすがの砕月もここまでは行かないだろうと思わせてくれる最低人間っぷりがもはや気持ちいい。こういう人種をきっと、女の敵と呼ぶに違いありません。
それにつけても優沙ちゃんは本当に可愛いですね。砕月からも散々防御力が弱いと言われている彼女ですが、これはもはやノーガード戦法じゃないかレベル。悪い男に捕まらないように気をつけてほしいものです。もう遅いか……。
一方、この頃の静流先輩は、今とはまるで別人の、聖女かと言わんばかりの癒し系お姉さんでした。どうして道を誤ってしまったのでしょう。私は悲しい。でも、なぜか物足りなさを感じている自分がいて怖い。
まとめると、二股をかける方も意外と色々難しいんだな、というお話。そもそも美少女をふたりも捕まえる方が難しいだろというのは、また別のお話。


一番楽しかったのはやっぱり第3話ですね。ヒロインが増えれば増えるほど修羅場は熱くなるものです。
バグによって分身してしまった砕月を各ヒロインが使役して争うスーパー砕月大戦。もしくは砕月モンスター。
ヒロインごとに砕月に求めるものが違いすぎて笑ってしまいました。ああ、静流先輩はやっぱりぶっ飛んでんな!
しかしこうして見ると、なんだかんだで砕月はハイスペックなんだと思わされます。だからこそ二股だの三股だのできてしまうわけですしね。
最終的に株を上げたのは千夏ということになるんでしょうか。一番可愛いのは優沙ちゃんだし、瞬間的にグッとくるのはハルマラ様ですが、なんだかんだで、砕月に合っているのはたぶん千夏なんだろうなあと思います。
もちろん、メインヒロインとして最強なのはタマさんで間違いないんですけどね。デレてないのにデレを匂わせる、あまりに絶妙な匠の業。お見事でした。


一番幸せだったのは静流砕月だったのかもしれない。幸せってなんだろう。