まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

この中に1人、妹がいる!8

この中に1人、妹がいる! 8 (MF文庫J)

この中に1人、妹がいる! 8 (MF文庫J)

ストーリー
雅を傷つけてしまったと落ち込み、心乃枝に慰められる将悟。
しかし“ふうちゃん”と心乃枝の関係が気になる将悟は、心乃枝の全てを受け入れることに躊躇してしまう。
熊五郎の過去から妹の正体に迫ろうと、祖父の自伝を元に調査を始める将悟だったが……。



最終回を目前に控え、遂に本当の妹が誰なのか明らかとなりました。
さすがにもう、ここからのどんでん返しはないよね? ないと思うのですけれど。多分。
さて、率直に感想を述べるならば「ですよねー」という感じ。これしかないとまでは言いませんが、いくつかあった可能性の中から、一番有力だったものに落ち着いたように思います。
ただ単純に妹が正体を隠していただけならば、こんなに場が混乱することはなかったでしょう。
実の妹自身、自分が将悟の妹だと知らないままに、「妹」の存在ばかりが一人歩きした結果、偽の妹が乱立するというわけのわからない状況に陥ってしまったのですね。
柚璃奈のような陰謀に長けた「妹」が全てを操っている……そんなサスペンスじみた展開も楽しみでした(というか、1巻の頃はそれを期待していたはずでした)が、もはやここまでくると、辻褄が合うように物語が終わってくれるだけでも十分満足できそうです。


正直言って、心乃枝のことはまるで好きではありません。どちらかと言えば、私のヒロインはやっぱり雅ですよ。どれだけ歯噛みさせられようと、ここだけは譲ることはできません。もうね、今回も雅が不憫で不憫でたまりませんでした。
さすがに、ここ最近の自分の親を勘違いするような言動はどうかと思いましたが、想い人である将悟と、その将悟が愛する人を幸せにするために外側から努力する彼女の働きぶりは実に健気で切ないものでした。
やっぱり、将悟が最初からハッキリしていればよかったんですよ。「妹」の存在に振り回されるべきではなかった。だってそうでしょう。最終的にあの子を選んでしまっているのですから。
そんなことなら、「妹」なんか恐れずに、初めから自分の好きな人を決めてかかるべきでした。そうすれば、雅だけでなく、他の多くのヒロインたちにも悲しい思いをさせずに済んだのに。結果論かもしれませんけれどね。


次巻で物語はクライマックス。将悟と妹の物語は、どんな決着を迎えるのでしょうか。
まさかこのまま終わることはないと思いますが、最後にどんな驚きを用意してくれたのか、実に楽しみです。
できるだけ早く、最終巻も読んでしまいたいですね。


ま、まだ柚璃奈エンドも……ないか。そうですか。