まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ベン・トー9.5 箸休め 〜濃厚味わいベン・トー〜

ストーリー
冬休み明けの部室で槍水の掃除を手伝う佐藤。
ところが、槍水が踏み台から転げ落ち、その拍子に足をつってしまう。
槍水に頼まれて彼女のブーツを脱がした佐藤は、禁断のフェティシズムに目覚める……。



サブタイトルに恥じない濃厚な短編集でした。
いえ、この作品が普段から濃厚であることは確かなのですが、半額弁当争奪戦等の真面目なアクション分を省いて、残った濃厚な部分だけを抽出してみたらこんなんできちゃいましたみたいな、色んな意味で後には引けない1冊となっております。
収録されている短編は、「ANの5時の読書会」を除けば11話ですか。
オルトロス姉妹のお話などもありましたが(そして梗が大好きな私にとっては大層重要な短編でしたが)、全体的に見ると、槍水先輩、白粉、著莪の3人が主にフィーチャーされていたように思います。


白粉の「有明」シリーズは良かったですね。
有明の狼たち」はともかくとして、「白粉花の年末」と「白梅梅」は、白粉と白梅のふたりの絆を感じさせる、胸がほっこり温かくなるお話でした。
これで、白粉が売っていた同人誌の内容さえもう少し……いや、多くは語るまい。
そもそも、白粉がこんな趣味を持っていたからこそ、白梅との距離が一気に縮まったとも言えるわけですからね。ええ。そうやって正当化でもしていないととてもやっていられません。
しかしこの「ANの5時の読書会」はいったい誰が得をするのか。まあ、その4までちゃんと読んだらそれなりに内容が気になったけどさ!


後半のメインは、著莪と佐藤の「いつもこんな感じ」シリーズ。
もう何も言えない。普通、これだけヒロインが乱立していたら、最後に佐藤が誰とくっつくのかというのが気になってくるものだけれど、そんな読者の希望やわくわくを一蹴してしまうこの熟年夫婦っぷりですよ。
いや、もしかしたら佐藤にとって著莪はヒロインではないのかもしれない。最後には誰かの大逆転があるのかもしれない。
でもそんなことは関係なく、ただひたすらこのリア充どもを見ているのが辛い。
1話だけならまだ耐えられるものを、なんで一気に3話もぶち込んでくるのか。全く勘弁していただきたいものです。
ロリ著莪のイラストだけは愛でざるをえない。


なんだかんだで今回一番可愛かったのは初っ端の白梅様だと思うのですがそこのところどうでしょう、Mの皆様。