まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

這いよれ! ニャル子さん10

這いよれ! ニャル子さん 10 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 10 (GA文庫)

ストーリー
自ら歴史を修復したことで、ありえない日常こそ、いまの自分の日常なのだと自覚した真尋。
そんな矢先、焼失していた地球拠点の修復が終了したとの連絡が、ニャル子達の元に入る。
今すぐ確認すべきか否かというやりとりの中、知らぬ声が横入りしてきて……。



アニメ(FLASH)で初登場し、以後もちょこちょこニャル子の台詞に登場してきた彼女が!
そう、あのアト子さんが! 満を持して本編にご登場と相成りました! ぱちぱちぱちぱち。
いやあ、いつか出てくるかもしれないとは思っていましたけど、ずいぶんと時間が経ってからの参戦でしたね。いや、もちろん作中ではニャル子が来てから1ヶ月も経っていないわけですけどね。相変わらず作中時間が狂ってますねこの作品は。
正直、アニメの方でのアト子がどんなキャラだったか忘れてしまいましたが、こちらのアト子さんは清楚な和のお嬢様といった雰囲気でした。なんで宇宙人なのに和なのかなんて知ったこっちゃありませんが、今までいなかった物静かなタイプだけに新鮮です。ただし腹黒。だって蜘蛛ですもの。彼女の糸になら絡め取られてもいい。
ニャル子、クー子、ハス太だけで十分すぎるほどに賑やかですから、これ以上レギュラーを増やすのなら、こういうキャラがいいかもしれませんね。一歩引いてニャル子達のドタバタを見守る役目みたいな。アト子がいると、なんとなく場が引き締まったような感じがします。


前巻でニャル子達のいる世界を選びとった真尋さん。それで吹っ切れたのか、はたまた責任を取るつもりなのか、また少しデレの進行が見られました。
いやあ、改めて考えると凄いですよね。1巻から少しずつ少しずつ、確実にデレているのだけれど、まだデレきっていないんですから。この絶妙なデレのさじ加減、さすがはメインヒロインだけありますね!!
今回アト子がやってきて、クー子やハス太ではありえない冷静な視点から、ニャル子の気持ちを改めて聞かされたことで、また真尋さんの心情が大きく揺れ動いたような気がします。
モノローグなんかを見ていると、もう真尋さんも、結構いいところまで来ていると思うのですけれども、ここから先はまだ遠そうですよね。
ニャル子も、普通にしていればそれでいいのに、下手に色欲で迫るから避けられちゃうんですよねえ。もちろん、そこがニャル子の可愛いところなんですが。


テンポが良すぎてもはや暴走しているとしか思えない会話芸、自然かつ大量すぎてもはやそれとそれ以外の区別がまるでついていないように思えるパロディ、無駄に壮大な事件に見せかけて一気に落とすくだらないオチとその伏線。
毎度おなじみ3本柱は今回もしっかり完備されておりました。どんなゲストが登場しようが、やっていることは1巻から大して変わっていません。いや、9巻だけはかなり違いましたか。でもそれくらいです。
9巻を挟んで何か変わるかとも思ったけれど、あとがきにもあったとおり、大して変わった部分も見当たりませんでした。この作品の場合、それでいいのでしょう。
これをマンネリと取る人もいるでしょうが、私は安定感と取りたい。現に、この巻も大変楽しく読ませてもらいました。
何より、読むのに疲れないのがいいんですよね。突っ込みどころも多いんですが(特に今回は無理が多かった気がする)、真尋さんがセルフで突っ込んでくれるから、まるでストレスがないし。
もちろん、物語の流れが変わらなくてもキャラの関係性や思いは変わっていくわけで、真尋とニャル子、そしてクー子とハス太、ついでにルーヒーの間で、これからどんな変化が起こっていくのか、興味津々です。
あまり大きな変化は期待せず、でも少し期待して、次の巻を楽しみに待ちたいと思います。


アニメ2(?)期おめでとうございま(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!