まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

バカとテストと召喚獣10.5

バカとテストと召喚獣10.5 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣10.5 (ファミ通文庫)

ストーリー
進路希望調査の記入内容に迷う明久・雄二・ムッツリーニの三人。
そこに、折よくまた新たな召喚獣の設定を考えた学園長が現れる。
召喚者の未来をシミュレートするという設定に興味を持った面々は、早速試してみることに……。



短編集第5弾。ここ最近多いなあと思って数えてみたら、本編が10巻までですから3冊に1冊は短編集が出ていることに。ぶっ飛んだギャグ回あり真面目な過去回ありで、毎回バラエティに富んだ楽しさがあるのでわりと歓迎してます。
今回は4話収録。ギャグ回3本に過去回1本の構成ですね。
ところで、表紙の玉野さんがやたら美化されているせいで一瞬誰だか分からず、よもやここにきての新キャラかと勘違いした私がいます。


「僕と兄さんと謎の抱き枕」は久保の弟(!)とムッツリーニの妹(!!)が主人公のお話。なぜこのふたりをチョイスしたのやら……。
それはそれとして、久保弟が苦労人すぎて泣ける。久保兄も、抱き枕を買うならもっと上手く隠さないと!(問題はそこではない)
土屋妹は普通に可愛らしい女の子でした。弟くんとフラグが立ったようなので今後に期待ですか。
「僕と雄二と危ない黒魔術」は黒魔術によってキャラたちの内面が入れ替わってしまうお話。
ギャグでは定番の内容ですが、魔法とか異能とか、そういうものは基本的に出てこないものだと思っていたので(召喚獣は一応オカルトの産物でしたが)、さらっとこういうものを描いてしまうあたりは、作者作品共にフットワークが軽いなあと思います。
普通は「女の子と入れ替わってどうたらこうたら」なんてことを考えそうなところを、ただひたすらに「誰よりも先に自分の体に戻らないと! ただし姫路さんの料理だけは勘弁な!」と走り回る明久の安定感に笑いました。
それから、ムッツリーニと工藤さんの仲は着実に進展しつつあるような気がします。他の誰よりもカップルっぽいんじゃないですかね。このふたり。付き合っているわけでもないのにお互いへのエロに対して遠慮がないっていい関係だなあ。
玉野さんの状況把握能力と清水さんの本能が怖い。
「僕と未来と召喚獣」は定番の召喚獣設定チェンジネタ。
未来の明久がやたら余裕ぶっていてイラッとしました。さぞ幸せで一杯の生活を送っていることでしょうね!
しかし雄二と霧島さんの未来はブレませんね。いつか結婚したとしてもずっと同じような関係を続けていきそうな気がします。雄二の扱いは、さすがにもう少しまともになっていることを祈るばかりですが……。
「私とウサギと仄かな初恋」は姫路さんファンの誰もが待ち望んだ、幼き日の明久と姫路さんのお話。
全盛期の明久、格好良すぎ。確かにこれは惚れざるを得ない。
雄二&霧島さんといい明久&姫路さんといい、この頃のまま進んでくれれば何も悩むことなどなかったものを、どうしてこうなってしまったのやら……。
しかし、どんなに雄二や明久の立場が変わっても一途に彼らを想い続ける学年トップ2というのも、これはこれで素敵ですよね。
ラストの姫路さんの、素朴な呟きにノックアウトされました。ちくしょう明久! 姫路さんを泣かせたら許さんからな!


幕間企画は玉野さん推進の「好みのタイプは誰ですか」。1位は誰しもが予想したであろうあの男でした。最下位もまた予想通り。まあ、そうなりますよね。
次は本編のラストエピソードになるということで(最終巻かどうかは不明)、いよいよクライマックスに向けて盛り上がる次巻を、楽しみに待ちたいと思います。


テンピュール枕買ってくるか……。