まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件2

ストーリー
紆余曲折の末、聖羅の「先生」になることができたシャール。
ところがそんな折、竜樹王子と騎士ギルマーから同時に愛の告白をされてしまう。
しつこく迫ってくるギルマーを、必死で追い払おうとするシャールだったが……。



いやはや、面白かった。このシリーズはやっぱり大好きです。べ、別にヒロインが9歳だから好きなんじゃないんだからね!
しかし、聖羅が異常に魅力的なロリヒロインであることもまた事実であります。とても9歳とは思えない大人びた外面と、シャールにだけ見せる(ここ重要)子供っぽい振る舞いとのギャップに、思わずぐらりと来てしまいますね。
ああ、今私が感じているのは、小さな女の子に対する保護者としての愛なのでしょうか。それとも……? シャールはどうなのかな?


第四話はシャールがギルマーに振り回されるお話。
ギルマーは別にどうでもいいんですけど、竜樹王子へのシャールの対応が魔性の「女」すぎて怖かったです。いたいけな少年の心を弄びおってからに。
しかし、竜樹はなかなかに格好良いヒーローぶりを見せてくれましたね。つい応援してあげたくなるひたむきさもGOOD。シャールが本当の女だったら、竜樹とのハッピーエンドの未来も、もしかしたらあったのかもしれません。
もちろん、そうでないから竜樹は不憫なわけですが……。可哀想に。彼のトラウマにならないことを祈るばかりです。
第五話はシャールが、外国の皇子・ハールーンから求婚を受けてしまうお話。さすがシャールさん、老若男女問わずモテモテですね。
ハールーンにも色々と事情があって、シャールとしても満更でもない良物件のようでしたが、やはりここで特筆すべきは、聖羅の方でしょう。
これは第四話から引き続きのことなのですけれど、あの聖羅が、なんと、やきもちを焼いている!
ギルマー、竜樹、アニス、そしてハールーン。シャールが誰かと親密な仲になりそうなとき、聖羅が放つ冷たい視線。
なかなか気持ちを口に出さない子だから伝わりにくいのかもしれないけれど、つまりは「私の先生を取らないで!」という意志がそこにあります。なんとも可愛らしいではないですか。いや、暗殺まがいの邪魔や、精神攻撃といったやり口は、決して可愛らしくはないですけれども……。
気付かないシャールの方にも責任はあったと思うんですよね。あの手首を握る姿とか、大きなヒントはいくつも隠されていたというのに。
そして、ラストシーンの、この聖羅ですよ。可愛すぎる。何度でも言いますよ。可 愛 す ぎ る。
国王家族ですら驚いた聖羅の行動。今まで決して他人に見せなかった本音の部分。それだけ、聖羅がシャールのことを大切に想っているのだということがひしひしと伝わってくる、素晴らしい一場面でした。
書き下ろしの番外編でも、聖羅の無敵状態が継続中。ハールーンの事件で吹っ切れたのか、だいぶ感情を表に出すようになってきましたね。
孤高の姫だった聖羅も、すっかりひとりの小さな女の子といった様子。シャールのお姫様と英雄の話にいちいち反応してしまう聖羅がなんとも微笑ましく、また愛らしいですね。
もう聖羅の方の準備は万全ですから、後はシャールがどうか、というところです。ところどころ恋を匂わせる描写もありつつ、まだ先は長いかもしれません。聖羅の年があと4〜5歳ほど上だったら、もうエンディングを迎えていてもおかしくないような気もしますが。年の差はかくも大きい。


さて、目下、聖羅の一番のライバルが誰なのかといえば、間違いなくアニスでしょう。
身分の差もない、年の差もない、体つきにアドバンテージあり、と、強みだらけのアニスが、最後に大きな爆弾を置いていってくれました。
もちろん私としては、聖羅の方を応援したい気持ちでいっぱいなのですが、果たしてシャールはどうするのでしょうか。なんだかんだで、アニスも優遇されているヒロインですから、分からないというのが正直なところです。今回の番外編でもきっちり1話用意されていましたしね。
ああ、続きが気になって仕方がない。WEB連載は終了してしまったので、次巻の発売を心待ちにしています。楽しみ。


番外編の更紗と竜樹のやりとりが結構好き。