まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ(7)

ストーリー
ありさが秋人の布団に全裸で入り込んでいた事件は、すったもんだの末、ひとまずの解決を見た。
しかしその話し合いで、秋人は一同から、とんでもない約束を取り付けられてしまう。
そんな中、夏休みに入り、海の家で住み込みのアルバイトをすることになった学生寮メンバーだったが……。



アニメ放送開始おめでとうございます! なブラコンラブコメ第7弾。
はあ……秋子かわいい(挨拶)。


“秋人の布団に婚約者(ロリ)が全裸で入っていた!”“なんということだ、これは放ってはおけない!”
ここまではまあいいのだけれど、そこから、“みんな秋人と裸で寝れば公平じゃないか!”という結論が出てくるのは明らかにおかしいと思います。いやあ、相変わらず頭の悪い作品だなあ(※絶賛)。
誰に先を越されようが一向に構わない会長はいいとして、当然ながら反対に回る秋子と銀兵衛と、すんなり賛成しているアナスタシアの差がなんとなく面白いですね。
秋子はそもそも、今の状況で十分優位に立っているわけですから、わざわざ他の女の子と一緒に秋人に近づく必要なんてないわけですね。銀兵衛もおそらく、長年付き合ってきた親友という立場がある以上、今のままでもう少し、というところがあるのでしょう。
しかしアナスタシアはそうじゃない。なぜなら、どれだけひいき目に見ても、彼女は秋子や銀兵衛、そしてありさに比べると、遅れを取っているからです。
もちろん、彼女の攻め方や性格に合っているから、という部分もあるんでしょうけれど、私には、どんな手を使ってでも差を縮めようとするアナスタシアの決意がここに表れているように思えて仕方がないのです。余裕ぶっているように見えて、意外と必死なんですね……。
一方の秋子は相変わらずのハイスペックぶりでした。だめだ、何度も言うけれど、こりゃ勝てませんわ。
基本的に何をやってもできる上に、たまに唯一の問題である変態性までが鳴りを潜めて、献身的かつ思いやりに満ちた女の子の顔を見せてくるから、まったく油断がなりません。
さすがの秋人さんをして「ただの最高の妹」と言わしめてしまう始末。いいからもうお前ら籍入れろよ。


後半のストーリーは独特でした。ほとんど秋人の妄想だったような気もしますけどね。
しかし秋人さん、秋子だけに留まらず、他の女の子たちまで小説のネタにしていたんですねえ。いつもやられっぱなしのように見えて、なかなかどうして、食わせものというか何というか。
アナスタシア、銀兵衛、会長、ありさと来て、まあ、大方の予想通りの展開となりました。
ひとつの大きな秘密が明かされたことで、また秋人と秋子の間の壁が薄くなったように思います。ここでこれ以上攻め入ろうとせずに、ただ一緒に寝てお話をねだるだけの秋子がひたすらに可愛いですね。
さて、秋子という絶対不変の最強ヒロインが、また一歩先へと踏み出しました。
サブヒロインという名称の噛ませ役から、果たして誰かが抜け出ることがあるのだろうか……と思いきや、これですよ。
いやはや、秋子だけが、というところまでは読めたけれど、ここまでは読めませんでしたねえ。見事に騙されてしまいました。
この先、大きな波乱が待ち受けていそうな予感がします。彼女は秋子を超えることができるのでしょうか。それとも秋子が横綱相撲で勝ち切ってしまうのでしょうか。
もちろん他のヒロインの活躍にも期待しつつ、次巻を楽しみに待つとしましょう。


カラーで忘れられたありさと、サービスイラストが1人だけ存在しなかった会長と、さて、どちらが不憫だろうか。