まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ゴールデンタイム5 ONRYOの夏 日本の夏

ストーリー
夏休み、まったり自宅デートを満喫する万里と香子。
しかし万里は、二人の時は幸せを感じつつも、一人になった時にふとからっぽ感を覚えてしまう。
そんなある日、海に行く相談をしていた万里と香子、千波、二次元くんは、柳澤とリンダが二人きりでいる現場を目撃して……。



相変わらずページ数は多くないし、内容的にもたいして進んでいるわけではないのに、なぜか感じるこのボリューム。どういうことなの。
読みやすいのに読むとやたら疲れるんですよね! 竹宮先生の文章ならではのことだと思うのですけれど。
少ないページで多くのものを伝えてくれているという解釈でいいのでしょうか。それとも単に文章が合わないだけ? いや、こんなに楽しめているのだから、それはないと思いたいところです。
しかし改めて読み返すと、本当にたいしたイベントもないままに終わってしまった巻でした。
言ってしまえば阿波踊りして家でゴロゴロして海に行って終わりじゃないですか。なんだこれ。


恐るべきはおまけん伝統の儀(?)、「んっほいほいへーいテンション」。
文章で書かれているだけなのになぜかこちらの体まで乗せられてしまうのが不思議です。これもまた竹宮マジックの為せる技か。
いやでも、こういうノリってありますよね。その場の空気に当てられるというんですか。お祭りはまさにそんな空気が満ち溢れる場所ですから、いかにも乗せられやすいタイプの香子がこうなってしまうのもむべなるかな、というところ。
酒飲んで騒ぐだけが大学生ではないのです。酒など入らなくても騒げてこそ、真のダメ大学生といえるのです!


我らが香子さんが残念すぎて目から涙が止まらない。
メインヒロインを張っているのだから、少しはまともな部分とか、一般的に魅力的とされている部分なんかが出てきてもよさそうなもんですが、彼女の場合は見事に残念なところばかりがフィーチャーされるのですよね。
いえ、もちろん、ダメな子ほど可愛いの原則はここでも見事に働いてくれるわけですが……ダメ度がそろそろ笑えないレベルになってきている気がするよ……。
まあそれでも万里は香子にベタ惚れなので、どうでもいいんですけどね! 周りがどれだけガヤガヤ言おうが、ラヴにのめり込んだカップルこそがラブコメディにおける永遠の勝者なのですよ。


ベタ甘カップルはおいといて、いよいよ気になってくるのが岡ちゃんと柳澤のこと。
柳澤はもう色々と自業自得のように思えるのでどうなろうと知ったこっちゃないんですが、岡ちゃんのことを考えるとそうも言っていられない。
別に柳澤じゃなくてもいいのですが、最近まるで当初の香子の亡霊が取り憑いたかのような不幸オーラを頻繁にまき散らしてくれるプリティエンジェル岡ちゃんには、どうか幸せになっていただきたいものです。
亡霊は過去の万里だけで十分です。むしろ過去の万里も邪魔くさくて仕方ないくらいなのですからね。今回も無駄に出番多かったね。
なかなかに唐突な続き方をしてくれましたが、わりといつものことなのでそろそろ慣れました。
そろそろお話が大きく動いてくる頃ではないかという淡い期待を込めて、次巻を楽しみに待ちたいと思います。


ええ、あなたたちは紛れもない変態カップルですよ。気付いてなかったの?