まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

精霊使いの剣舞8 決戦前夜

精霊使いの剣舞8 決戦前夜 (MF文庫J)

精霊使いの剣舞8 決戦前夜 (MF文庫J)

ストーリー
無事に決勝進出を決めた<チーム・スカーレット>。
<浮遊島>に戻ってきたカミトたちは、決勝戦までに与えられた二日間の休息を思い思いに過ごす。
クレアの寂しそうな表情を見たカミトは、彼女を劇場へと連れ出し……。



<精霊剣舞祭>決勝戦を目前にして、バトルはひと休みの回。
大きな事件も起こりそうにないし、カミトさんがヒロインズと思う存分いちゃいちゃするだけかとも思いましたが、過去話がいくつか明かされたり、決勝に向けた最後の追い込みがあったりと、予想以上に重要な巻になりました。
あ、もちろんヒロインズとのいちゃいちゃもしっかり用意されていますけどね!
さりげなく手を握っていたり、口の周りについたクリームを取ってあげたりと、カミトさんはさすがの紳士っぷりでした。
クレアだけにやってるならいいものを、何人もの女の子に同じ手を使っているあたり、やはり彼は魔王なのかもしれません。男への耐性がなさすぎるお嬢様がたの方にも、多少問題があるような気もしますけれど。


シリーズが続いてキャラに愛着がわけばわくほど、過去編というのは面白く感じられるものです。
レン・アッシュベルになる前のカミトの過去! そして<黄昏の魔女>グレイワースとの出会い! 1巻以来ずっと謎だったふたりの関係が明かされるときが遂にやってまいりました。
とにかくグレイワースさんが凄い。大仰な二つ名がついてるくらいだから強いんだろうなとは思っていたけれど、やっぱりとんでもない精霊使いだったようで。現役時代のグレイワースの話も読んでみたいものです。
それから、イラストのカミトさんがやたら可愛くて困惑しました。しかもメイド姿。あざとい。わ、私はだまされませんからねっ!
ところで、学園長との出会いが彼女への刺客としてだったなんて、かなりきわどい話だと思うのですが、ここまで話せるならもうレン・アッシュベルのことについて話してもいいんじゃないんですかね。
いい加減じれったくなってきたんですよね。クレアだって知りたいだろうに。まあ、レン・アッシュベル(偽物)との決戦も近いことだし、どうせそのうち明かすことになるんでしょうけれども。
クレアとリンスレットの出会いのお話は、打って変わってほのぼのとしたものでしたね。
今の彼女たちとはだいぶ異なるやりとりが興味深い。ただ、子供時代のクレアの性格は、根っこの部分では今もそれほど変わっていないのではないかと思います。寂しがり屋で心優しい子猫。
クレアもリンスレットも、やっぱり精霊使いとしては天才児だったようですね。彼女たちと同等かそれ以上の才能の持ち主ばかりだったのであまり意識しませんでしたが、学院に入ることができるというだけでも相当のエリートなのかもしれません。


ここに来て敵チームのエース(はいてない)とデートとか、カミトさんアグレッシブだわ。さすがだわ。
誰にでも優しいって罪なんだねと考えさせられるカミトさんの態度なのでした。人としてはこれ以上なく正しいのでしょうが……。
それから、同じチームなのに見事に個別イベントをスルーされ、挙句の果てにレオノーラ(はいてない)とのデートの邪魔役として配置されてしまったフィアナとエリスが不憫すぎる。まあ、ぶっちゃけあなたがたはその辺の立ち位置が妥当かな、ともゴホンゴホン。
しょうがないよね。(はいてない)は強いのです。


グレイワースから最後の絶剣技を託され、いざ決勝へ。
カミトはこの技を使いこなし、立ちはだかる強敵たちを凌ぐことができるのでしょうか。
いよいよクライマックスが近づいてきた<精霊剣舞祭>、ますますの盛り上がりは必至と言えましょう。
カミトだけでなく、クレアやリンスレット、フィアナ、エリス、エスト、さらには敵だけれどレスティアやレオノーラが、どのような活躍を見せてくれるのか、実に楽しみです。


グレイワースのイラストって初登場でしたっけ? 意外と若い……。