まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

のうりん4

のうりん 4 (GA文庫)

のうりん 4 (GA文庫)

ストーリー
夏休みを利用して、林檎を連れて田舎へ帰ることにした耕作と農。
ところが目的地の愛生村へ着いてみると、なぜか耕作と農の結婚式の準備が着々と進められていた。
やたら上機嫌な農と、不機嫌極まる林檎に挟まれ、たじたじの耕作だったが……。



この田舎の外堀埋めがひどい。
まず表紙をめくってこの扉絵ですよ。予想はしていたとはいえ不意打ちすぎる。いきなり笑かさないでいただきたい。
ということで今回は、ほとんど1冊丸ごと使っての耕作と農の田舎編となっております。
変態だらけの農林高校を離れて、少しは健全かつ和やかな日々になるのかなと期待したけれど、全くもってそんなことはありませんでした。だと思ったよ!
前巻で耕作が送ったメールから広まる勘違い。耕作と農の結婚騒ぎは、もはや後には引けなくなっている状況へ。
絶賛三角関係中の耕作たちがそんな中に迷い込んだものだから、もう毎日が修羅場の様相でした。
いつもは林檎ちゃんに押され気味の農が、家族や村人たちの後押しを得て、ここぞとばかりの大攻勢。アラフォーもかくやのテンション爆上げっぷりで、正直かなりうざったいです……。このむっちり、調子に乗りすぎである。
一方の林檎ちゃんは完全アウェー状態で、どす黒いオーラに囲まれたその御姿はまさに暗黒姫。そりゃあ、自分の下僕がライバルと結婚なんてことになったら誰だってそうなる。でもそんな林檎ちゃんもかわいい! 宇宙一かわいいよ!


今までも、農業のことに関してはやたら真面目に描かれてきましたが、今回は特に農村ということに焦点を当てて、農業に限らず、田舎での暮らしとか、村おこしとかいったことを丁寧に描いていました。
ほぼ1巻をかけて農村について書かれているということもあって、これまでの中でも特にまとまりの感じられる巻だったのではないかと思います。
「読めば絶対田舎へ行きたくなる」などという煽り文句があらすじに書かれていますけれども、確かにこれは行きたくなる。結婚うんぬんは、うんまあ、勘弁してほしいですが……。
農の姉妹たちも良かったですね。妹の工と商はただひたすら愛らしく、「かわいいものは頭をなでるべき」という人間の本能をくすぐられる感じでした。林檎ちゃんとの不器用同士のやりとりには和んだ。癒し。
士姉さんは、多少、いやかなりの暴走特急ぶりで、お話をぐいぐい引っ張っていってくれましたね。
元凶は耕作のメールだとはいえ、事がここまで大きくなってしまったのは彼女のせいですから、あんまり擁護はできませんけれども。
ただ、士は士なりに、妹たちのことや家族のこと、そして村のことを考えて、新しい風を吹き込もうとしていたわけで、やり方はともかく、頼り甲斐があっていいお姉ちゃんなんじゃないかなと思いました。


恒例のイラスト芸は今回も全力。文章で予告しといてページをめくった後のイラストで落とす。もはやお家芸といっても過言ではないでしょう。
林檎ちゃんの凄まじいセンスが光る絵日記や、最後のまさかの連続見開きと、笑いどころ満載。腹が痛い。
あと、ベッキー・アラフォー・ザ・モンスター先生は、イラストでだけ異常にかわいく見えるのをなんとかしていただきたい。無性に腹が立つんですけど。ドキドキを返せよ!
次はまさかの良田さん回? ということで、今から楽しみでなりません。高まる期待でおっぱいが揺れる胸が踊るな!


アラフォーが出てくると妙に安心してしまうこの気持ちはいったい何……? 更年期?