まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国

ストーリー
辺境に広がる黒い森の中で、人に追われた魔女たちが細々と暮らす世界。
とある一族の長である魔女・ハリガンの前に、ある日、見慣れる格好をした男が落ちてくる。
記憶を失っているらしい男の面倒を一族でみることにしたハリガンだったが……。



あらすじの「戦乱無双ファンタジー」なる文言と、やたら豪華な雰囲気の表紙イラストに惹かれて読んでみました。
舞阪洸先生の作品を読むのはこれが初めてですが、面白かったです。
物語としてはまだ始まったばかりですから、「戦乱(略)」の要素はまだまだという感じでしたけれど、計略を用いて人間の軍を手玉に取るといった描写もあり、これからに期待が高まるファンタジーだなあと思いました。


魔女の里にひとりだけ落ちてきた男・ナーガが主人公ということで、ヒロインは早速よりどりみどり状態。何せ、表紙だけで既に4人のヒロインが登場しているわけですから……。
メインヒロインというものが存在するものかどうか微妙なところですが、あるとするならば、やはりハリガンでしょうか。エロいお姉さまです。エロい。
他の魔女たちに比べて年上ということもあるし、何より一族の長ということもあるしで、とにかく大人っぽさが目につきます。
ナーガのセクハラに鋭い突っ込みも入れているのですが、全ては大人の余裕の元におこなわれている感じ。
ユウキは男=ナーガを毛嫌いするゆえに罵倒・無視・攻撃などなどの仕打ちを仕掛けてくる危険ヒロイン。
言ってしまえばツンデレなんでしょうが(金髪ツインテールだし!)、デレ分がまだまだ少ないので今後に期待というところですか。むしろハリガンとの百合方面に行ってもらっても全然構わないんですけど!
個人的に好きなのはちょっと特殊な喋り方の無表情魔女・レラですね。
淡々とした喋り方の中、ときどき感情が浮かんでくるのがとても可愛いと思います。ナーガとの相性も良さそう。あと服装が扇情的で素晴らしい。
最後のひとりはアイス。いつもニコニコしているけれど多分一番怖い人。
体型的に微妙にハリガンとかぶりますが、ナーガとしてはこっちの方がいいのかもしれません。揉んでたし。


魔女ということで、それぞれに特有の魔法があって、戦闘が楽しかったです。矛盾するようですが、文章であっても派手なビジュアルは大切だと思うんですよね。脳内での場面想像がはかどるじゃないですか。
さて、魔法のおかげで、単体での戦力では人間はとても魔女には敵わないのだけれど、いかんせん魔女たちは少数で、たったの20人程度。
そこに数で攻め寄せてきた人間たち。真正面から戦うことしか知らない魔女たち。絶体絶命のピンチ!
と、そこで異世界から来た主人公・ナーガの登場と相成るわけです。いやはや、熱いですな。
作戦というものを戦いに持ち込むことを知らず、ジリ貧状態に陥っていた魔女たちの運命が、ひとりの天才によって書き換えられていく様子を見せつけられました。
ただ伏兵を置くとか、敵を誘い込むとかだけではなく、魔法のおかげでさらにバラエティに富んだ作戦を組むことができるのがおいしいですね。
上でも書いたように戦いはまだ始まったばかりで、しかもなんともいいところで巻が続いてくれたので、次以降のお話が気になって仕方ありません。ナーガの大活躍に期待するとしましょう。


イラストはよう太さん。読んだことのある某作品の頃から比べるとだいぶ絵柄が変わったのかな? と思いましたが、相変わらずの素敵なイラストでした。
特にモノクロイラストでの、ヒロインの体つきの色っぽさがいいですね。でもレラのバストはもう少し小さくていいと思います!


ナーガの正体には思わず唸ってしまいました。ああ、そういうことか!