まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

そんな遊びはいけません!3 〜パンツがないと風紀が乱れる〜

そんな遊びはいけません! 3 パンツがないと風紀が乱れる (MF文庫J)

そんな遊びはいけません! 3 パンツがないと風紀が乱れる (MF文庫J)

ストーリー
赤点のペナルティで、委員会室を奉仕委員会に譲ることになった時政たち。
時政は、委員会室へやってきた奉仕委員の女の子・朝日レナのスカートの中を偶然覗いてしまう。
しかもなぜか彼女はパンツをはいておらず、大切な部分が時政から丸見えで……。



「さあ、ツッコんでくれ」と言わんばかりのサブタイトル。これはツッコまざるを得ないでしょう。
パンツがなかったらそりゃ風紀も乱れるわ! 2巻のときも似たようなことを言ったような気がしますけど!
あらすじからもう頭の悪いにおいがプンプンしますが、中身もあらすじに負けず劣らず、頭が悪いです。もちろん褒めてます。
ノーパンだの、ヌードデッサンだの、お風呂だの、とりあえずそっち方面にもっていけば読者に劣情を催させることができると思っているんでしょう! 大正解だよちくしょう!
一歩間違えたらエロに行ってしまいそうなところを、ギリッギリの綱渡りで持ちこたえつつ、それでいてときどき片足踏み外してるくらいの絶妙なバランス感覚に、伝統ある「ちょっとえっちなラブコメディ」の真髄を感じます。
「ありえねえよ」なんていうツッコミは無粋なのです。ただただノリのままに楽しめばいいではないですか。


3人目のヒロイン・レナさんが登場。変態です。希・明日奈と合わせて、これで変態ヒロインが3人になりました。なんなんだよこの風紀委員会。
ああ、我らが生徒会長・夏帆姉さんを入れれば4人になりますね。なんなんだよこの学校。
いや、みんな可愛い。可愛いんですけど、アプローチの仕方がみんな致命的に間違ってる!
とはいえ、あけっぴろげなヒロインも、それはそれでいいものです。欲望に忠実なヒロイン3人に囲まれたラブコメというのも、新しく感じますね。
時政がちょっと、いやかなりの、いえ異次元の鈍感ぶりを発揮しているため、あいにく本人には伝わっていないのですけれど。
全員に対してそれなりの好意を抱いていながらこれは逆に凄いわ。仏陀か何かなの? 悟りなの? 悟りを開いているの?


3人の中でも特にひどいのは、やっぱり希さんでしょう。いやもうね、彼女だけ群を抜いているんですよ。
大真面目になって一体ナニをデッサンしているんですか君は。さすが、好きな相手には無意識に痴漢をはたらいてしまうヒロインはレベルが違うぜ!
そうか、これが肉食系女子というものなんですね(違います)。
デッサンの行き先がまたひどい。時政さんシスターズは、決して出番は多くないのに、とんでもないインパクトを残していきやがるから困ります。
夏帆姉さんはもうどうしようもないので置いとくとして、やっぱり気になるのは秋乃ちゃんですよね。
彼女は凄まじいポテンシャルを秘めているような気がします。彼女メインの話も読んでみたいものですね。


軽妙なギャグパートに笑わせてもらい、節操なしのエロパートにドキドキ……いや、笑わせてもらい、そして残るは恋愛パート。大いにニヤニヤさせてもらいました。
無茶苦茶やってるようでいて、ちゃんとストーリーを進めているところが素晴らしい。唐突は唐突ですけどね。
3人の変態ヒロインは、これからどんな風に時政を攻めていくのでしょう。スタートが出遅れたレナさんに勝ち目はあるのでしょうか?
ともあれ、次巻も楽しみです。時政シスターズはもとより、希の妹の出番にも期待。


しかし、落ち着いて振り返ってみると、今回一番の大勝利を収めたヒロインは夏帆姉さんではなかろうか……。