まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

も女会の不適切な日常2

ストーリー
少しの違和感を含みつつも、日常へと戻ってきたも女会メンバーたち。
ある日、いつものようにわいわいと放課後を過ごしていたところ、吹雪で学校から帰れなくなってしまう。
学校に泊まることになった一同は、せっかくだからと肝試しを始めるのだが……。



あの衝撃はものすごかったけれど、もう作品のノリが割れてしまっているし、1巻だけの出落ちになってしまわないかなあ……なんて甘く見ていて本当にすみませんでした!!(土下座)
さすがに1巻ほどではなかったにせよ、今回も何度となく驚かされました。一体どうなっているの。
まず、ピンナップのイラストの時点でおかしい。笑っちゃうでしょ。なぜ愛が平然とも女会メンバーに混じっているんですか。思わず1巻を引っ張りだして、記憶が間違っていないか確認してしまったではないですか。
完全に予想外の方向から不意打ちを食らうこの感覚、なんとも美味。やめられません。


前回あれだけのことをやっておきながら、まるで何事もなかったかのようにコメディパートに戻りやがるのだから、参ってしまいます。
先に待ち受けているものは分かっているのに、リンネとヒロインたちとのラブコメをニヤニヤと楽しんでしまう自分は幸せな頭をしているなあと思いました。だって面白いんだもの。仕方ないよね。
特に今度はヒロインの中に愛が入っているから、また違った味わいがありました。どんなに邪険に扱われても愛にまっしぐらなリンネがちょっと子犬的で可愛く見えました。
それから、1巻ではほとんど登場しなかった雛子が最初から全力すぎて楽しい。そして怖い。ストーカー怖い。
彼女に限っては、裏表なく楽勝で犯罪者でした。あの繭を怯えさせるだけのことはあるというものです。顔も言動も可愛いのに……。


楽しい放課後部活動ライフから急転直下、閉鎖空間での殺伐血みどろ事件の始まり始まり。
2回目になりますけれど、コメディから一気にサスペンスホラーに突き落とされるのには、なんともいえぬ気持ちよさがありますね。くれぐれも申しておきますが、私はMではありません。
迫りくる死と潜む殺人者。次第に明らかになってゆく真犯人。
謎は「今」だけに留まらず、時間や空間を超えて、過去や、改変される前の別の世界など、色んなところへぐるぐる回って、頭はすっかり混乱させられてしまいました。
前もそうでしたが、何が起こっていたのかを一度で理解するのはどうにも難しい。正直半分くらいしか追えてません。それでも十分に驚いたし、楽しめるのですけれども。
今回は表紙のとおり、ユーリが大きな役割を担っていましたね。てっきり、彼女は日常側の象徴なんだと思っていたのですが。こうやってひとりずつ、非日常へと引きずり込まれていってしまうのでしょうか。


しかし、なんだ、これからずっとこのコメディ→サスペンスの流れを続ける気なんですかね! 本当に最後までやり遂げたら凄い。
決してMではありませんが、あの気持ちよさは何度でも味わいたいものですので、次巻にも大いに期待したいと思います。
でもその前に1〜2巻を読み返して、現状がどうなっているのかをしっかり頭に叩きこんでおきたいところ。このまま続きを読んでしまったら頭がパンクしてしまいそう。


イラストが実に、実に素晴らしい。黒いユーリの視線に背筋がゾクゾクさせられました。