まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

精霊使いの剣舞7 最強の剣舞姫

精霊使いの剣舞7 最強の剣舞姫 (MF文庫J)

精霊使いの剣舞7 最強の剣舞姫 (MF文庫J)

ストーリー
ネペンテス・ロアとの死闘から一夜明け、ひとときの休息をとるカミトたち。
<最強の剣舞姫>の剣技を使ったカミトは、クレアたちから、レン・アッシュベルとの関わりを疑われてしまう。
フィアナにからかわれながらも、その場はなんとか誤魔化すカミトだったが……。



表紙のカミトさん(3年前)が麗しすぎる第7巻。ああ、どうしてこのまま育ってくれなかったんだ!
副題にもあるとおり、今回は新旧の<最強の剣舞姫>の正体に深く切り込む内容になっていました。
作中で最も重要といっても過言ではない秘密ではあるのですが、正直「とっととバラしてしまえよ」と思っていたこともあって、やっとこの流れが来たか、という気持ちでいっぱいです。
カミトはなんで、ここまでレン・アッシュベルだったという事実を隠そうとするのでしょうね。出逢ったばかりの頃ならともかく、共に戦う今となっては、そんなことを隠しても何の得にもならないと思うのですが。
少なくとも、関係を疑われたりフィアナにおちょくられたりして、戦闘と関係のないところであたふたするくらいならば、早いとこぶっちゃけてしまうべきだったのです。
クレアやエリス、リンスレットなら、正体を知ったところで幻滅することなどないと、本当はカミトも分かっているのだとは思うんですけれど。


カミトが身バレの危機に振り回される一方、ひとりだけ精霊魔装が使えないことに思い悩むフィアナ。
たまたま相性の悪い相手とぶつかっただけであって、十分活躍しているような気はするのですが、まあ、向上心は大切ですよね。精霊剣舞祭の最中に無茶するべきではないことは確かですけど。練習で怪我したら元も子もないのに。
自分が使い物にならないという負い目からか、今回のフィアナは全体的にちょっと、意地悪な子モードに入ってました。
ただ、彼女のおかげでクレアが自分の気持ちを見つめなおすことになったのも事実です。ようやくですよ。むしろ遅すぎるくらい。まだその気持ちに疑問を挟む余地があったのかと、逆にびっくりしてしまう。
クレアはほっといてもカミトにベタ惚れですから、むしろカミトの気持ちの方をなんとかしてほしかったですね。結局こいつは誰が好きなの? まだ昔の女に囚われたままでいるの? そのわりには誰かれ構わずドキドキしてるような気がしますけどね!


最強の剣舞姫だった頃の勘が次第に戻ってきて、当時の剣技を振るい始めるカミトは悔しいけれど格好良い。こりゃ惚れるわ。“本物”は違うなあ。
カミトが圧倒的すぎてどんな敵が来てもかませ犬にしか見えない現状、どうにかならないものですか。もうこの次がレン・アッシュベル戦でもなんら問題ない勢いなんですけど。
あと、あのタイミングで駆けつけてくるレスティアさんがめっちゃ素敵。他のヒロインたちには申し訳ないけれど、カミトと肩を並べて戦って一番画になるのはやっぱりレスティアなんだなあと思いました。早く彼女に追いつけるように、クレアにはもっと頑張っていただきたい。


順調に力を戻しつつあるカミト、新たな力を手に入れたフィアナ、そして何かに目覚めかけているクレア。それぞれに成長の兆しが見えて何よりです。
偽物のレン・アッシュベルの正体も遂に明かされて、いよいよ物語も佳境に入ってきたのかなあというところ。
闇の精霊姫など、思わせぶりなキーワードも出てきて、いよいよ続きが気になってきました。
カミトとクレアのじれったい関係にも、何か進展があってほしいものです。ああ早く読みたい。


いくら一番盛り上がる台詞とはいえ、帯にお話の締めの場面を持ってくるのはちょっと……。