まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

魔弾の王と戦姫2

ストーリー
ティナルディエの軍勢を退け、つかのまの平穏を得たティグルたち。
避けられなくなった戦いに向け、ティグルはリムと共に、仲間になってくれる貴族を探して動き出す。
一方、国王への説明のためジスタート王都に赴いたエレンは、腐れ縁の天敵・戦姫リュドミラと遭遇し……。



新たな戦姫・リュドミラとソフィーヤが登場。とりあえずピンナップのイラストで「色とりどりでキレーだなー」とぼんやり。
3人いればもちろん3人それぞれ、性格も竜具も竜技も違うわけで、もうそれだけで単純に楽しい。
今回しっかりと描かれたのはリュドミラですけれど、ソフィーヤの技のことや、他4名の戦姫たちがどんなキャラなのかということを考えるとわくわくしてきますね。エレンと仲の良いもうひとりのことは特に気になります。
ちょっとしか出てきませんでしたが、ソフィーヤさんは素敵なお姉さまでした。エレンやリュドミラでさえ恐れるという、怒った彼女も早く見てみたいですね。


同じ国の戦姫同士なのだから、正面切って敵に回ることはないのだろうかと思っていたのですが、あっさり戦うはめに。
ただの領地ではなく公国だからということもあるのでしょうが、自分の領地の利益や伝統、周辺との付き合いといったしがらみが絡んでお互いに争うことになってしまうのは、仕方のないことなのかもしれません。
それにしたって王様の軟弱さ。彼が毅然とした態度を取っていればいくらか違うだろうに。優れた家臣を7人も持つと、こうなってしまうものなのでしょうか。
リュドミラはいかにも良家の生まれのご令嬢という感じで、高圧的でティグルへの当たりも刺々しくて、初めはあんまり好きになれませんでしたが、深く知っていくにつれてだんだんいい部分が見えてきて、魅力的なキャラだと思えるようになりました。
まあ、客観的に見てエレンの方も悪いですからね。傍からは子どもの喧嘩のようにしか思えないそれも、最終的には戦にまでなってしまうのだから、領主同士の仲違いというのは怖いものです。
仲が悪いなりに、少し前までは一緒に温泉に泊まっていたのに、いざ戦になれば本気で戦い合うことができるのだから、将としてはどちらも優秀なのかもしれませんが。


ティグルとリムのターンが結構あってほくほく。いやはや、リムは可愛いですなあ!
戦姫も侍女も霞んじゃうくらいのヒロイン力を持っているのではないでしょうか。基本的に丁寧語で、一見距離があるように思えるのだけれど、心の奥をティグルに見せることが増えているのも確かです。
ティグルへの優しさや信頼もはっきりしてきているし、笑顔だって見せてくれるしで、初めの頃とのギャップにもうめろめろ。たまりません。
秘密の関係っぽいものも出来上がってしまったので、これからますます燃え上がってくれるのではないかと期待しています。


ただヒーローが戦場に出て戦うだけではなくて、兵の動きを考えた計略もしっかりと考えられているところが楽しい。
もちろん個人の活躍も逃してはならない部分ですので、エレンとリュドミラの一騎打ちや、敵側さえも驚かせてしまうティグルの弓術の描写にはテンションが上がりました。
戦いは悲しいことですが、それを乗り越えて、最終的に、エレンがあのことばを言うことができてよかったです。彼女たちの仲も少しだけ前に進めたのですかね。
次はいよいよ公爵と剣を交えることになるのでしょうか? ティグルのさらなる活躍が楽しみでなりません。


ぬいぐるみじゃなくて熊が好きだったんです?