まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

神童機操DT-O phase02

神童機操DT-O phase02 (講談社ラノベ文庫)

神童機操DT-O phase02 (講談社ラノベ文庫)

ストーリー
街中でツインテール美少女とぶつかってしまい、家まで送り届けることになった貞臣。
【タグ】が付いていない彼女になぜか下着姿で迫られ焦るが、なんとかその場を逃れることに成功する。
その後、作業のためにドウテイオーに乗った貞臣は、妙に出力が低いことに気付く……。



司令! 女の子です! DT-Oに女の子が登場しています!
1巻ではメインヒロイン(多分)の恵后でさえ空気気味でしたが、今回新キャラも加わって、だいぶヒロインのターンが増えました。
童貞をテーマにしているのなら、やっぱり恋愛と童貞の葛藤が見たいので、これは待ち望んだ展開でもありますね。
とはいえ、主人公があんな調子ですので、女の子たちは苦労しそうですけれども。


新ヒロインの立梨が魅力的でした。出会ってすぐにこの攻めっぷりですか。初っ端からマックスですか。
言動は実に子供っぽいのに、未経験を表すタグが付いていないというのが、またなんとも、背徳的なエロスを感じさせてくれます。
こんな無邪気な色気で迫られたらたまったもんじゃないですよ。貞臣さんじゃなければ負けていたかもしれないな! さすがDTの星たる貞臣さん! 美人教師が来て「男だったらなあ」とか言っちゃう貞臣さんは違うなあ!
貞臣に拒絶されても諦めずに追いかけてきて、クラスの面前で言い放ったことばも素晴らしかったです。
あまりにもまっすぐな愛情表現に思わずときめいてしまいました。まあ、言ってる内容は結構えぐいんですけど。
そんな立梨に感化され、遂に恵后まで動き出します。前回はさんざん思わせぶりな行動ばかり見せておいて結局何もなかったので、やっと来たか、という感じですね。
恵后と貞臣の間に何があったのかはまだ明かされていませんが、どちらも本当に不器用で、本当にじれったい。
その間に割り込んできた立梨のおかげで逆に持ち直してしまうんだから、立梨の立場がないじゃないですか。
でも、恵后と立梨のやりとりはとても良かったですね。恋敵同士の友情ってやつに弱いのですよ。
立梨が恵后を勇気づけて、恵后はそんな立梨に感謝しながら、一歩を踏み出しました。ここから本格的に恋愛が始まっていくのかな。
もちろん、彼女たちの最大の敵は、お互いではなく、悪友・間坂氏であるわけですが……本当に勝てるのか?


今回ドウテイオーの敵として立ちはだかったのはSM-Ⅲ、通称サーディズム。
名前の通りのサディズムに満ちた機体設計が心をくすぐります。読んでいるときは気が付きませんでしたけど、踵のパイルドライバーはそういう意味だったんですね。笑ってしまった。
純血と姦淫、対極をなす両者ではあるけれど、それぞれに信念があって、守りたいものがあって、そのために戦っていることに違いはありません。
実際に戦っているのはロボットですが、その実彼らは、その思いの強さを戦わせているのだと思います。
そう考えると、やっぱりドウテイオーは強い。童貞の思いの瞬発的なエネルギーの大きさは、計り知れないものがありますよ。ねえ、そうでしょう?


立梨の裏の顔、恵后に許された一週間、童貞狩りの影などなど、気になる点は尽きません。
貞臣は、恵后と立梨の猛攻を耐え忍ぶことができるのでしょうか。ドウテイオーやアイアン・メイデンへの影響は果たして。
ああ、アイアン・メイデンもまた登場してくれるといいなあ。きゅんとする学園恋愛、熱いロボットバトル、どちらも楽しみにしています。


この世界は性別が行方不明すぎる……。