まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ミスマルカ興国物語Ⅹ

ストーリー
最後の紋章が眠るという、レンキスの“帰らず神殿”の調査に赴いたマヒロとユリカ。
一方、マヒロの隙を突いて紋章を手に入れるべく、パリエルたちも行動を起こしていた。
神殿内でぶつかり合う両者だったが、そこに神殿のシステムが牙を向く……。



新章に入ってから3巻目かな。遂に紋章集めも終盤に差し掛かりました。
だんだんパリエルが裏主人公の立ち位置になってきて、彼女を誰よりも応援している私としては気分上々。とっととマヒロを追い落として主人公になっちゃえばいいんですよ!
マヒロはどうしても、何を考えているのか分からないところがあるから好きになりきれないのですよねえ。結局彼が帝国側に着いたのかそうでないのかさえ、なかなか読み取らせてくれない。
読者さえも欺く、「蛇」の名にふさわしい人物だと褒めることはできます。でも主人公としては応援しがたい。
それから、今回はユリカ様が珍しく戦闘で活躍していましたね。三美姫の中では一番好きなキャラですので、嬉しいといえば嬉しいのですが、その戦う相手がパリエル陣営となると少々微妙な心境。
闇将なんて大仰な名称で呼ばれるだけあって、見事な戦いっぷりでした。今まではどちらかと言うと、シャルロッテに近いのかと思っていたのですが、根っこのところはルナスのようなおてんば姫なのかもしれません。
我らがパリエルは、レイナーもクーデリカも格好良くて無敵にさえ思えてくるのに、帝国と関わるとどうもいい目を見ないというか、負け越し確定みたいになっちゃってるところがあって残念です。
一度くらいはマヒロをぎゃふんと言わせてくれないものでしょうか。キャラの立ち位置的に、それは厳しいかな……。
ああでも、奥義を使ってくれたのは良かったです。いつぶりかなあ。ヴェロニカ以来?
パリエルの剣の腕も上がってきているのですね。中原一などと言わず、早く世界一の剣士になっていただきたいところ。


シャングリラや要塞のあたりは、やっぱり過去作品と関連している部分なのでしょうか。
もう半分諦めていますけど、どうしても置いてけぼりにされた気分にはなってしまいますよねえ。
画面内の声の主の名前には見覚えがありました。某作品は1巻だけ読みましたから。それがここにどうつながっているのかは、さっぱり分かりませんけれども。
シャングリラの一件に関しては、まあ、マヒロによくやったと言っておくとしましょう。
本心をなかなか見せないから、たまの善行にも裏があるように思えてしまうけれど、こういう優しい一面を見ると、まだこの王子も壊れたわけではない、捨てたもんじゃないなあと思えるのでした。別にツンデレじゃありません。ふん。


唐突ですが、私はエーデルワイスも大好きでして、パリエルの次くらいに出番を待ち望んでいるキャラなのです。
ある意味でマヒロ以上に心の底を見せなかった彼女ですけれども、今回ようやくその片鱗をのぞかせましたね。
もしかして話の本筋に関わってくるのでしょうか? だとしたら嬉しいなあ。
とりあえず、次の巻でもパリエルの活躍を楽しみにしておこうと思います。久しぶりのリーゼル王子にも期待ですね。


ユリカ様の黒歴史本の再販はいつですか。