まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

クロス×レガリア 嵐の王、来たる

ストーリー
リコに連れられ、白鳳六家との顔合わせに赴いた馳郎。
ところがそこに、第四家・空の家の次代当主である北斗が乱入し、いきなり攻撃を仕掛けてくる。
ナタとリコの手を借り、とりあえずその場をしのぐ馳郎だったが……。



「リコがメイン」との作者のことばの通り、魅力溢れる天才義妹・リコの出番がたくさんあって楽しい巻でした。
いやね、まだ2巻目なのに、馳郎とナタが早くも夫婦みたいになっちゃってるんですよ。
人間と鬼仙との立場の差なんかはこれから問題になってくるんでしょうけれども、それがなかったら、もうくっついててもおかしくないくらい。
馳郎とナタのイチャイチャはあって構わない。でもそれだけじゃやっぱり物足りないわけです! 恋にはライバルが出てきてくれなくてはいけません!
と、そこでぜひとも頑張ってもらいたいのがリコ。なんてったって可愛いですから。特別な女の子ですから。
彼女は色んな可能性を秘めた娘だと思います。守りたいヒロインにも、頼れる戦友にも、もしかしたら最終的なラスボスにだってなれるかもしれません(なってほしくはないですけど)。
そのためにも、こうやってどんどん活躍の場を広げていって、キャラを深めていってもらいたいですね。


前回の敵は中国の鬼仙でしたが、今度立ちふさがったのは日本の<おに>たち。
ただでさえナタが狙われているというのに、馳郎が白翁となったことで、さらに多くの敵が生まれた形になりますね。権力の代償というやつですか。
こちらには最強の鬼宝兵器・ナタがついているのだから大丈夫かと思いきや、決してそんな簡単なお話ではなく、彼女でさえも勝てるかどうか分からないような相手が次々と襲ってくる、一筋縄ではいかない展開。
でも、そんな圧倒的強者と対峙しながら、せこい手を使ったり、裏をかいたり、金の力に物を言わせたり、かつての敵に助けを求めたり(!)して、なんとか窮地を切り抜けていく。このなりふり構わない感じ、嫌いじゃないです。なんてったって馳郎はボディーガードなんですから。守るためには手段なんて選んじゃいられないですよね。
それにしても目を見張るのは、我らがウェアラブルコンピュータ、<カエアン>の性能の高さ。
基本的に一般人である馳郎が、苦戦しつつもまともに<おに>とやり合えるのは、ひとえにカエアンのおかげです。
カエアンを動かしているのは超能力でも魔法でもなく、リコの科学力と白翁の財力です。それだけで、指1本で建物を吹き飛ばすような相手と戦っているのだと考えると、自然と胸が熱くなってくるんですよね。
カエアンに込められたAIがまたカッコいいんだなあ! 馳郎との息の合ったやりとりに惚れ惚れしてしまいます。それでいて普段は萌えキャラとか、何これ完璧じゃないか。


バトルが連続しているわりに、どうも淡々としている印象が強いのですけれど、前巻と同じく、最後の50ページでぐぐっと一気に盛り上がってくれました。
誰も彼もが、自分の持てる力を振り絞って、その本領を発揮しています。「最後の武器」ってフレーズ、燃えるよねえ。
リコと北斗の顛末もまるで予想外の結末を迎えてくれちゃって、もう、早く言ってくださいよ! 結構焦っちゃったじゃないか!
さて、次に馳郎たちの前に現れるのは、鬼仙でしょうか。白鳳六家でしょうか。それとも両方?
あとがきによれば、今回はちょびっとだけ登場した蓮花さんと、ついでに少影さんの出番もあるようですし、いよいよ騒がしくなっていきそうですね。
蓮花さんが記憶よりもずっと可愛かったので、彼女の活躍には期待したいと思います。もちろんナタやリコや北斗、そして馳郎とカエアンにもね!


ピンナップイラストのお湯の中のふたりの足がどう交差しているのか想像するだけで1時間は戦える。