まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

まよチキ!11

まよチキ!11 (MF文庫J)

まよチキ!11 (MF文庫J)

ストーリー
病院から帰ったジローは、マサムネ宅でくつろぐスバルと奏に遭遇する。
女性恐怖症を治すまでは恋愛ができないジローのため、一緒に生活して治療をしていくことに決めたのだという。
三者三様の治療プログラムのおかげもあって、ジローの恐怖症には改善の兆しが見え始め……。



前巻で奏やマサムネから告白されたり、スバルの正体がマサムネに明かされたりして、いよいよクライマックスへ向けて加速し始めるストーリー。
女の子は結構出てきたけれど、最終的なヒロイン枠はやっぱり、スバル・奏・マサムネの3人だったようですね。
あんまり多くなりすぎても扱いに困りそうだし、ちょうどいいくらいではないかと思います。シュレ先輩あたりは、正直ちょっと惜しいですけどね! まあサンタコスが可愛かったからいいか。
ということで、今回は本格的にデレた3ヒロインとそれぞれいちゃいちゃする巻でした。
不公平をなくすためなのか、カラーイラストは各ヒロインとジローのデートシーンを切り取ったものが3枚だったのですが、いい加減、ピンナップで重大なネタバレするのはやめてもらえないかなあ……。
しかしなんだ、読み終わってから改めてこのイラストを眺めていると、ジローさんの女運が恵まれすぎて、こう、ふつふつと湧き上がるものがありますね! 何が女性恐怖症だよこんちくしょう!


ジローへの想いを抱えたヒロインが3人。しかもお互いがお互いの気持ちを知っていて、ジローの方もみんなの好意を知っていて、それで同居生活を送るっていう状況は、冷静になってみるととんでもないですね。
普通ならギクシャクしそうなものですが、そうならないあたりが奏のしたたかさといいますか、上手いこと関係を作り上げたものだと思います。結果的にそうなってしまっただけかもしれませんけど。
でも、同じ人に恋をしている者同士で仲良くやるのってなんかいいですよね。ただの友だちよりもより深い間柄になれるような気がします。
今回の場合はスバルとマサムネですか。基本人見知りのふたりですが、いつの間にかなかなかいいコンビになっていました。マサムネにデレッデレのスバル様可愛い。
奏とマサムネもそうですね。かつては敵同士だったけれど、自分をさらけ出し合ったことで何かが変わったのでしょうか。


3人の美少女から愛されて、みんなといちゃいちゃすることが許される生活は、それは居心地のいいものでしょう。
それでも、ジローは選ばなくてはいけません。女性恐怖症なんてものを言い訳にしてもよい時期はもう過ぎ去りました。
女の子たちのまっすぐな気持ちに、真摯に向きあって答えを返さなくてはいけない。
答えを出すということは今の居心地のいい関係を崩してしまうことでもあって、怖さを感じるのは当たり前のことです。変わっていくことは怖いものですから。
ジローはそれを分かった上で、しっかりと決断を下すことができました。ずいぶんと長いことかかったような気もしますけど、ここは素直に祝福しておきたいと思います。


次巻で最終巻の予定とのこと。また凄いところで続いてくれちゃいましたが、もうここまできたら後は最後まで突っ走るだけですよね!
ジローが、スバルが、奏が、マサムネが、紅羽やシュレ先輩やナクルや苺さんや、みんなが、自分の幸せを見つけられるような結末を迎えてくれるといいなあ。楽しみです。


ううむ、普通に階段から下りればいいのではないかと思ってしまった私は間違っているのか? いやまあカッコ良かったけどさ……。