まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

這いよれ! ニャル子さん9

這いよれ! ニャル子さん 9 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 9 (GA文庫)

ストーリー
ある日の下校途中、ゲームセンターに寄り道してはしゃぎ回るニャル子たち。
楽しげな邪神一同に囲まれ、真尋は呆れつつも満更でもない日常として、彼らを受け入れ始めているのだった。
しかしその帰り道、手をつないでいたはずのニャル子が突如姿を消してしまい……。



一部の世間ではうーにゃーうーにゃー騒がしい今日この頃ですが、原作もいつも通り、安心と安全のネタ三昧でした。
いやあ、とにかく面白いんですよねえ。やってること自体は1巻の頃からほとんど変わってないような気もするんですけど、なぜかいつまでも飽きない。吸引力の変わらないただひとつのラヴ(クラフト)コメディ。
パロディの多さとか、伏線ネタとか、そんなことだけが魅力ではないのです。
邪神と真尋の秀逸なやり取りや、シリアスな場面でも欠かさずにギャグを放り込んでくるところに代表される、ストイックなほどのギャグへのこだわりが、好きで好きでたまらニャいのですよね。


この真尋、デレデレである。いつの間にこんなにほだされてしまっていたんでしょうか。
かつては鉄壁の防御を誇ったツンバリアーも、ニャル子の圧倒的火力による執拗な攻撃によって遂に消滅の危機に。
冷静に考えるとまだ出会ってから3週間しか経っていないので、ガードが固そうに見えて意外とチョロかったのかもしれませんけど。3週間が濃厚すぎたから仕方ないね。巻数にすると9巻分くらいになりそうなくらい濃厚だったからね。
いや本当にですね。分刻みで「帰れよ」とか言ってたようなあの頃に比べますと、ニャル子にドキリとする回数が格段に増して来ていますよね。
本性が触手だの鉤爪だのでいっぱいの邪神だと分かってはいても、目の前にいる美少女の輝きからは逃れられなかったということなんでしょう。
ニャル子は最初から可愛かったけれど、特に最近のニャル子の愛情表現はなんというかとても自然で、さらにぐんと可愛くなってきたなあと思います。ニャル子に限らず、クー子もそうなんですけど。
こっちが邪神に慣れただけですか。そうですか。そうですね。ああSAN値が。


八坂ニャルラトホテプの消失。失われた邪神を求めて、時をかける真尋の旅が始まる!
ニャル子やクー子、ハス太の過去を巡る時間旅行は、これまでの巻で話に出ていたあれこれが見事に伏線になっていて、思わず感心してしまいました。自然な伏線回収だと……バカなっ……!
あの真尋さんが、ニャル子たちの存在を守るために過去を動かそうとしているのだと思うと、ギャグ主体のシーンであっても妙にじんとしてしまいます。
こんなところからも真尋さんのデレを観測できてニヤニヤしてしまう。今のニャル子が見てたら発狂している勢いですね。
とりあえずロリクー子(イラスト込み)が可愛すぎてたまらなかったのでちょっとフォーマルハウト行ってくる。


オチもとても良かったです。これはいよいよ本格的に、メインヒロイン(真尋さん)の陥落の日も近いのかもしれません。真尋、アウトー。
過去の振り返りが多かったお話でしたし、今巻を読んだ上で既刊を読み直すと、色々とまた新しい発見がありそうですね。
終わってみると、“今の”ニャル子たちの出番はかなり少なかったので、次巻ではまた彼女たちが大暴れしてくれることに期待しています。アニメともども、本当に楽しみ。


パロディを詰め込んだ感想にしようと思って中途半端のまま諦めました。改めてこのパロディの量、凄すぎです。