まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

アクセル・ワールド11 ―超硬の狼ー

アクセル・ワールド〈11〉超硬の狼 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈11〉超硬の狼 (電撃文庫)

ストーリー
《災禍の鎧》を浄化したことを証明するため、《七王会議》に参加したハルユキ。
《鎧》の消失を確認した王たちは、そのまま《大天使メタトロン》攻略の話し合いに入る。
そこで出された秘策は、シルバー・クロウの新アビリティ《理論鏡面》獲得作戦だった……。



新章突入! 《災禍の鎧》編が長かっただけに、新鮮な気持ちで読み出しました。かの《鎧》がもういないと思うと、それはそれで妙に寂しいですね。
物語の出だしは《七王会議》から。2回目の会議になりますが、加速世界を支配する王たちが一堂に会しているのだと思うと、やはり胸が震えます。まあ、緑の王を見る目はだいぶ変わったけれど、紫や黄は相変わらず。
王たちはもちろんですけど、それぞれの王に仕える従者アバターたちがまた格好良いんですよね。
特に今回はマンガン&コバルト姉妹との接触があって嬉しい。こういうハイランカーたちともどんどん対戦して欲しいな。まだちょっと厳しいかもしれませんけれども。
しかし姉妹といい、パドさんといい、パウンドさんといい、レイカーお姉様は敵を作りすぎだと思います。そこがいいんですけどね。レイカーさんにスカイツリーの天辺から突き落とされたいなあ!


ミッドタウン・タワーを攻略するため、伝説のアビリティを獲得させられることになったハルユキ。
ただでさえ飛行アビリティを持っているのに、さらに強くなってしまいますか! いえいえ、とてもいいことだと思います。主人公はどんどん強くならなくちゃね。
クロウの特訓のために、ニコとパドさんがわざわざハルユキ宅へ。ネガ・ネビュラス全員とリアルで顔合わせして、すっかり和気あいあいとしちゃってますけど、赤の王としてはこれでいいのかな?
それだけニコがハルユキに心を許しているということなのでしょうね。陣営を超えて協力し合うのってとても熱い。そして特訓も熱い(物理的に)。
シリアスが長く続いた反動なのでしょうか。このあたりはわりとギャグが多くて楽しかったです。最強の砲塔を前にしたクロウの間抜け顔が目に浮かぶようだ。
とりあえず、なんだかんだで小学生2人と着実にイベントをこなしていくハルユキさんの天然ジゴロっぷりには白旗をあげる他ないですね。全く。


上手くいかない特訓。明かされた謡の過去。そしてハルユキの前に現れた新たな挑戦者。
ただでさえ問題が山積みのところに、また新たな問題が降ってくるのがこの作品らしいところですね。
ハルユキという主人公は、挫折があって、打ちのめされてから立ち上がってこそ輝くヒーローなのです。負けたら次は勝つ。一番分かりやすくて、震える展開ではないですか。
それにしても、懐かしのあのゲームと、黒雪姫によるあの台詞の再現は不意打ちでした。アニメの1話(絶賛放送中!)を見た後ということもあって、色々とこみ上げてくるものがありますね。


さてさて、最上級の盛り上がりの場面で、恒例の(つづく)エンドですよ。また焦らしに入るんですね先生! うおおおお!
勝負の決着だけでなく、アビリティ入手の可否や、謎めいたアバター《アルゴン・アレイ》の秘密など、気になることが山のように残されています。
毎度毎度のことですが、一刻も早く続きが読みたくて仕方ありません。ああ、ブラック・バイスのような減速能力があればなあ!


ミッドタウン・タワーに直接攻め込めない理由には笑いました。忘れがちになるけど、この人たちみんな高校生以下でしたね……。