まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

のうりん3

のうりん 3 (GA文庫)

のうりん 3 (GA文庫)

ストーリー
本来追ってきたはずの耕作を放って、すっかり農と仲良くなった林檎。
予想外の失恋に沈む耕作に対し、農はここぞとばかりに幼馴染みアタックを開始する。
デレデレになっている耕作を目にした林檎は、アイドル・草壁ゆかモードで農に対抗するが……。



ゆかたーん! ゆ、ゆーっ、ユアアーッ!! ユアーーーーッ!!
おっといけない。私としたことが、つい興奮してしまいまして。
ギャグと野菜と果物とパロディと家畜とアラフォーのごった煮超特急ラブコメディ第3弾、今回も大変美味しくいただきました。
あとがきで作者も述べていましたが、今回は今までに比べてより農業分が増加。専門用語や専門知識がやんやと飛び交っていて、濃密な取材の元にこの作品が成り立っているのだということを改めて実感しました。
こんだけしっかり情報収集しておいて、完成した作品が「これ」なんだから、いやはやほんと大したもの。全力の悪ふざけってこういうことを言うんじゃないかな……。※褒めてます
もはや恒例となったイラスト芸も順調に進化中。本文中に平然と漫画ページが登場する事態へもつれ込みました。もはやイラストも本文の一部といって過言ではありません。
作者、イラストレーター、編集が本当にひとつになって作り上げているからこそできることなのでしょうね。素直に讃えたい。


前回ラストで予想外の方向へぶっ飛んでいった林檎と農ですが、少し落ち着いたのか、耕作を取り合ういつもの関係へ。
林檎ちゃん、いや、ゆかたん可愛い! 宇宙一かわいいよ! 会員番号で呼ばれたい蔑むように見下されたいぐりぐりされたいうわあああああ!
腹黒アイドルのオーラ恐るべし。これは耕作でなくとも、愚民、奴隷、卑しい犬にならざるを得ない。納税! 納税します!
しかし耕作が凄いのは、そんなスーパーアイドル林檎ちゃんを相手に平然と変態セクハラ発言をかましてしまえるところ。
ぐりぐりまではまだいけるかもしれませんが、ごめん、さすがに面と向かってアレをかけてほしいとは言えない。それでも林檎ちゃんにドスの利いた声で罵倒してもらえるなら……と思ったけれど、罵倒どころか確実に逮捕だこれ。
アラフォー妖怪・ベッキーを放置していることといい、この世界のポリスマンは怠慢がすぎるのではないでしょうか。
ベッキーの暴走っぷりはもはや留まることを知りませんでした。リアルもののけ。というかネタが普通に卑猥かつ下品で軽く引く。でもイラストだと無駄に可愛くて腹が立ちます。
あと、キャラとして一番おいしいのはやっぱり良田さん。胸だけでよくもまあこれだけいじられ続けられるものだと妙に感心してしまう。
林檎ちゃんと農のノリノリっぷりが怖かったです。いたいけな小学生たちを相手に何しちゃってんの。さすがに誰か突っ込め。


ギャグの応酬で笑い疲れた頃に、「あ、シリアス忘れてた」とばかりに真面目展開を持ってくるあたりが上手い。そこまで真面目じゃなかったですねすみません(NOL48のイラストを眺めながら)。
いや、冗談は抜きにして、ギャグ少なめのお話も結構好きです。F1野菜についてとか、慣行栽培についてとか、大変興味深く読みました。
ギャグ一辺倒では本当に疲れてしまうということもあるし、こうやってしっかりと農業を見つめている土台があるからこそ、その上での悪ふざけが光るのだろうと思います。
実際の農業高校の生徒さんたちに、この作品の感想を直に聞いてみたいものですね。


次巻はわりと農のターンになりそうな予感。今回も結構な攻めっぷりを見せてくれた農ですが、さて、どこまで行ってしまうのやら。
もちろん林檎ちゃんや、四天農たちの活躍にも期待。ベッキーも、うん、まあ、R指定が付かない程度に頑張ってほしいものです。


ソドム鈴木先生の薄い本……じゃなくて、バイオ鈴木の薄い本ください。