まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(2)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)

ストーリー
美少女ふたりと部活をしても、ラブコメ展開にはちっともならず、相変わらずの日々を送る八幡。
そんなある日、奉仕部にまさかの珍客、イケメンリア充のクラスメイト・葉山が訪れる。
クラスに出回っているチェーンメールを止めたいという依頼を受け、犯人探しを始める八幡たちだったが……。



2巻目にして既に安定感ばっちりの面白さ。やり取りを追いかけているだけで楽しい。
ギャグの応酬がありながら、テンションだけで突っ走るわけでもなく、じわじわ湧き上がってくるような、くせになる笑いを提供してくれます。
八幡は相変わらずのぼっちっぷりで、彼の黒歴史シリーズは、先が分かっていても噴いてしまう。
同時に何か、色々と嫌なものを思い起こしてしまいそうになるのが、実に危険なんですけれども。高校時代、とか、いやむしろ現在進行形で、とか、うわあああああ!
なんて言うんですかね。八幡の残念さは、妙にリアリティーがあると思うんです。
多少ひねくれているとはいえ、八幡自身は、別にそれほど性格が破綻しているわけではありません。
でもなぜか、クラスで孤立してしまう。そして孤立している自分を嘆きつつ、そんな風に人に馴れない自分がちょっと好きでもある。
結局、なんだかんだで孤独が嫌いじゃないからこそ、いじめられているわけでもないのに、こうなっちゃうんですよね。
だから自分では、そんな自分にある程度満足しているのですが、傍から見ると、やっぱり残念に見えてしまう。ああ、他人からはこう見えているのか……ん、泣いてませんよ。汗です。リア充は青春で汗を流し、非リア充は青春を思って心の汗を流すのです。


新キャラが2名ほど登場。妹・小町ちゃんが実に可愛いですね。
迷惑そうに振る舞いつつも、その実、全力でシスコンやってる八幡が笑える。いいお兄ちゃんじゃないですか。
小町の登場によって、雪乃や結衣との関係も少しずつ動いてきたような、そうでもないような。
人と関わりを持ってこなかった結果、相手の気持ちをおしはかることについて、それほど得意でないだろう八幡が、複雑な思いを抱えた女の子たちとこれからどうつきあっていくのか、気になるところです。
一方の沙希ですが、これまた難しそうな女の子ですね。根は本当にいい子なんでしょうけれど。
今回はゲスト登場といった感じでしたが、これからも奉仕部に関わってくるのでしょうか。一度きりの登場にしては惜しいキャラだと思います。
まあ、これ以上気の強いヒロインが追加されると、八幡としては疲労の蓄積で大変なことになりそうですけどね。


さて、実に微妙な、思わせぶりなところで続いてしまいました。
結衣がなんともいじらしくて、八幡はまったく、何をやっているんだよと言いたいところだけれど、彼の性格や、過去を考えると、なるべくしてなったすれ違いなのかなあとも思います。
八幡が今の場所から一歩踏み出すのはいつのことになるのでしょうか。奉仕部での活動で、少しでも変わってくれるといいのですが。
雪乃に関しては、いよいよもって謎が深まってまいりました。彼女のことも少しずつ明らかになっていくのかな。


久しぶりに飲みたい。MAXコーヒー。