まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

GJ部(8)

GJ部(8) (ガガガ文庫)

GJ部(8) (ガガガ文庫)

ストーリー
冬がやってきて、コタツの中でぬくぬくする京夜やしおんさん。
すっかり年の瀬を迎えつつも、GJ部の面々は、今日も今日とてゆるふわな毎日を過ごしていた。
年越しの神社では、みんながタマの家のお手伝いで巫女さんに変身して……。



まったりふわふわ4コマ小説も、いつの間にやら第8弾。季節も丸々2周してしまいました。
そんなに数が出ていたイメージが、まるでないんですけどね。1冊1冊が軽いからということもありますが。
どうでもいいようなネタでの会話を4ページ読んで、イラストに微笑んで、さて次の会話へ。
こうやっていると、大きなストーリーがあるわけでもないのに、なぜかのめり込んでしまって、どんどん読み進めているから不思議です。
話がくるくる変わると、結構疲れるものだと思うのですが、この作品ではそういうことはありませんね。
イラストでワンクッション置くのが大切なのでしょうか。お気楽なようでいて、読者のまったりのために、さりげなく工夫が凝らされているんだよなあと、改めて思いました。


毎度のことながら、恵ちゃんに癒されました。いやあ、可愛いですよ。リアル天使ですよ。
ゆるふわなどと言いつつ意外にかしましいGJ部の中では、いつもにこにこ笑っていてくれる恵ちゃんこそが心の支え。
彼女がいるから、部長やタマが多少の無茶をしてもバランスが取れているんだと思います。
で、そんな恵ちゃんとお医者さんごっこをするようなキョロは本当にばくはつすればいい。
最近、なんかもう、キョロがちょっとでも女の子たちとやりとりするだけで、胸に黒いものが溜まっていくのを感じます。嫉妬です。
キョロはもう、霞ちゃんといちゃいちゃやってればいいんじゃないかな!


時折当然のように入ってくる不可思議設定には、どうしても違和感が抜け切れません。
特に紫音さんとキララの周りに多いんですけれども。兄兄ズとか、度を越した怪力とか、そういうのです。
ごく普通の高校生の日常を描いているというのがこの作品の魅力だと思うのに、その中にこういう異常がさらっと入ってしまっているのは、地味に気持ち悪いんですよね。私だけでしょうか。
正直、キャラ付けかネタ作りのための設定という気がしてならないのです。
いやそれならそれでもいいんですけど、ギャグならギャグとして、そういうものがある日常なんだよと吹っ切れてほしいんですよね。
まあ、今頃になって言っても仕方のないことなんですけれども……。


次巻で部長や紫音さんの卒業。そしてGJ部という作品自体も、完結を迎えるようです。
この5人が常に部室にいて、毎日一緒に過ごしてこそのGJ部だと思うので、ちょうどいいのではないでしょうか。
最終巻だからといって、涙溢れる感動のエンディングというわけでもなく、GJ部らしく、にこやかにほのぼのと終わってくれるといいですね。
「嬉しいニュース」の方も気になるところです。発表を楽しみに待つとしましょう。


スカートふわりをやってくれるメイドさんを雇っている美少女の友だち、どこかに転がっていないかな……。