まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

バカとテストと召喚獣10

バカとテストと召喚獣10 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣10 (ファミ通文庫)

ストーリー
ついにAクラスとの再戦を迎えた明久たちFクラス。
雪辱を果たすために気力十分な彼らだが、Aクラスも今回は序盤から全力を出し、試召戦争は午前中から早くもクライマックス状態に。
そんな中、突然3年生の首席がFクラスを訪れ、謎の言葉を残していく……。



1巻以来のAクラスとの戦いが幕を開けました。
あの頃とは違って、Fクラスの戦力が知れ渡った上での戦い。学年最低のFクラスに対して、今まで使って来なかったような泥臭い手段まで取ってくるAクラスに、さすがの雄二も苦戦を強いられます。
それだけ、試召戦争でのFクラスは脅威なのだということであり、Aクラスが、特に翔子さんが、彼らを高く買っているということなのでしょう。
実際に、圧倒的な戦力差をものともせず、ときどき姫路さんに頼りながらも、立派にAクラスと渡り合うFクラスの面々がそこにいました。
どのクラスよりも経験を積んできたFクラス。その経験の中でつちかってきた多くのものが、ここにきて一気に花開いたのだと思います。


しかし本当に、Aクラスとの戦いは楽しいですね。前回協力してもらった相手だというのがまたなんというか、胸が熱くなるんだなあ。
たとえば、バカの代名詞であるはずの明久を本気で警戒してくる優子さん。
1巻のときには、秀吉の姉だということしかつながりがなかったわけだけれど、今はそうではありませんよね。
多分もう、友だちだと言ってもいいんじゃないかという関係で、だからこそ、明久のことをしっかり分かっていて、その力を認めている。
こういうところに、Aクラスのメンバーの気持ちよさを感じます。今まで戦ってきた他のどのクラスとも違う。
明久たちと長く接してきたからこそのものなのかもしれません。Fクラスという表面的なことに惑わされず、過不足なく、しっかりと明久たちを理解し、本気で戦いにきているAクラスの面々が、やっぱり好きですね。
もちろん、このAクラスのある意味での信頼は、その期待にこたえて戦う明久たちの頑張りがあってこそのもの。
久保君との一騎打ちは実に見ものでした。変な方向に走っていない久保君自体かなり久しぶりに見たような気もしますけど。普通にやっていれば格好良いんだけどなあ、この人……。
雄二と翔子さんの作戦の読み合いも忘れてはいけませんね。
雄二による、学年全体を使った作戦の構築も見事ながら、どんどんその考えを読んでいく翔子さんもこれまた凄い。
ほんと、どれだけ通じ合っているんですかこのふたりは。もう早く結婚しちゃえよほんとに!


信頼といえば雄二と明久ですね。9巻でのやりとりも最高でしたが、今回も素晴らしかったです。
一度敗れた相手に再び勝負を挑もうとする明久。迫り来る強敵を前に迷わず明久を送り出す雄二。
ああ、このふたりの関係は本当にいいものだなあ。間違いなく学園最強のコンビだと思います。


白熱する試召戦争の裏で見え隠れする3年生の影と、姫路さんの不自然なまでのやる気。
また彼女に、なにか嬉しくない事態が巻き起こっているようですね。ひとりで抱えてしまうところは、相変わらず姫路さんらしいというか、なんというか。
あとがきによれば、残っているのは最後のエピソードのみだということで、物語としてもクライマックスが近づいてきました。
待ち受ける大きな戦いの中で、それぞれがどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみでなりません。


郄城さんが普通にイケメンでなぜか吹いてしまう。