まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

緋弾のアリアⅩⅠ Gの血族

緋弾のアリア (11) (MF文庫J)

緋弾のアリア (11) (MF文庫J)

ストーリー
白雪との修羅場のあとも、キンジとの同居生活を続けるかなめ。
対立を平和的に解決するため、キンジは武偵高外での交渉のテーブルを用意する。
しかしキンジの願いもむなしく、白雪たちバスカービル女子の面々は、かなめにリベンジの決闘を申し込むのだった……。



いきなり妹を、それも歴代最強ではないかと思わせる敵として出してくるという無茶な手に打って出てきた前々巻ラスト。
前巻では色々ととっちらかったままだった気がするので、正直少し不安に思っていたのですが、巻をまたいでもこうやってしっかりお話をまとめてくれるのは、さすがだなあと思いました。
こういうノリ、大好きなんです。行き当たりばったりといっては失礼ですが、唐突に何かとんでもないものを出したり、ありえない展開に持って行ったりして、とりあえずインパクトを与えておいて、後からどうにかするというようなノリが。
ストーリーの流れは多少ぶった切っても、お話で読者を楽しませよう、驚かせようとする作者の魂を(勝手ながら)感じるんですよね。


バスカービル女子陣の面目躍如。これでもSランクやAランクの揃った部偵たちですから、負けっぱなしというわけにはいきません。
白雪とジャンヌという組み合わせは予想外でしたが、ずいぶんといいコンビネーション。2巻で戦いを繰り広げたふたりの超能力者が共闘しているのだと思うと、胸の熱い思いが。
一方のかなめは、刀1本で向かってくる白雪に合わせて同じく武器ひとつで対峙するという武士道精神を見せました。
これは実に意外だったけれど、キンジの教育がきちんとかなめに影響しているのだと思うと少し嬉しいですね。


戦いを終え、ヒロインズはようやくひとまずの和解に至りました。戦いの合間の息抜き、体育祭でのドタバタパートへと突入。
あれだけ傷つけられても、普通の友だちとしてかなめと接することのできるバスカービル女子の度量の深さに乾杯。そりゃあ、かなめだって心を動かされるというものです。
それにしても、まさかの間宮あかりとの同盟には笑ってしまいました。なるほど、利害が一致しているもんな!
ベテランヒロイン陣は、しっかりそれぞれに用意されたサービスタイムへ。
水着イラスト3連続がまあ、実によろしいものでした。特に白雪さん、あなた攻めすぎです。アップにした髪型と相まって、いかん、ヒスる! ヒスる!
しかしそれに10倍する破壊力を持つのは我らがヒロイン・アリアさん。あるキーワードでテンパッて真っ赤になってしまうアリアが可愛すぎて危うく悶え狂うところでした。やっぱり圧倒的に可愛いなあ! 色気とか胸とか、そんなのどうでもよかったんだよ!
キンジにとっても、着実に特別な存在になってきていると思うのですが、この男はどうしてこうも気付かないのか……。


再び襲ってきたジーサードとの戦いはヒステリアモードの大盤振る舞い。かつてのシャーロックとの戦いを彷彿とさせる、超人対決になりました。
超高度のステルス機の上での息もつかせぬスピードバトル。銃弾やミサイルでさえゆっくりに見えてしまう、この加速感がたまりません。
最強モードのキンジさんが格好良すぎて惚れる。真面目に刃物も拳銃もきかないってどういうことなの。「双剣双銃」の立場がないじゃないですか!
それで最終的に徒手空拳。もう来るところまで来ちゃったなあという感じですが、キンジのことですから、これからもまだまだ力をつけ、技を開拓していくんでしょうね。わくわくが止まらない。


ラストにまた、最高級に可愛いアリアと、恒例の次回予告があって締め。
さまざまなイベントを乗り越えて、アリアはだいぶ吹っ切れてきた感がありますね。次回以降のラブパートへの期待が高まります。
緋弾のアリア」のことについても少し明かされて、ますます勢いに乗ってきたストーリーからもう目が離せません。
ツンデレ弟の再登場も楽しみ。ああ、次巻が待ち遠しい。


武藤とのちょっとしたエピソードが良かったです。強襲科時代のキンジの過去話も読んでみたいですね。