まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)2

ストーリー
学校内で発生した、女生徒が通り魔に襲われて眠り込んでしまう奇妙な事件。
普段から評判の悪い砕月は、事件の犯人なのではないかと疑われてしまう。
寿命を奪うバグの仕業らしいと知った砕月は、タマと共に調査を始めるが……。



ゲスのゲスによるゲスのための修羅場ラブコメ第2弾。面白かったです。1巻のときよりもだいぶ面白く感じましたね。
多分、日常・探索パートがメインだったからじゃないでしょうか。バトルらしいバトルは最後の方だけだったし。
バグとのバトルもそれはそれで楽しいんですが、やっぱりこの作品の魅力は、砕月のビョーキが存分に暴走しては痛い目に遭う日常パートにあると思います。笑わせてもらいました。


砕月の周りに集まるヒロイン陣がとことん可愛くて困る。
優沙ちゃんも、千夏も、タマも、静流先輩……はまあ、多少難があるけれど、それぞれ違った愛らしさがあって、これは砕月じゃなくても、ひとりを選ぶというのは厳しいんじゃないかと思います。
タマの気持ちはまだよく分からないとはいえ、これほど粒ぞろいの女の子から一気に言い寄られる砕月さんは、改めて大変な立ち位置にいるんだなあと。息をするようにホイホイ浮気を繰り返す男が、よくもまあこれだけモテているものです。
砕月がそれだけイケメンで格好良いのか、はたまたヒロインたちが単にチョロいだけなのか、微妙なところではありますが。
まあ、言動はひどくてゲスい砕月だけれど、決して悪いやつではないんですよね。自分のビョーキについても真剣に悩んでいるし。
表面だけを見て評価しないという点で、このヒロインたちは人間を見る目があるのかもしれません。


安定の正統派ヒロインっぷりを見せつけたのは優沙ちゃん。
つんとすましたようでいて、その実甘えているとしか思えないこの分かりやすいやきもちが愛おしくて仕方ない。
ビョーキ砕月に言い寄られてあっさり陥落してしまうところがまたたまりませんね。YCK! YCK!
なんだかんだ言いつつも好きな人に対して一直線で、健気ないい子なんですよねえ。
砕月本人の目の前でその悪口を言う友人に反論する優沙ちゃんの姿はとても素敵でした。勘違いされやすい砕月の、心の底にある優しさを知っているから言える台詞ですよね。
そして、あの場面でもブレずにビョーキを発動させた砕月さんは本当にどうしようもない男の子だと思いました。
女の子の中で、今回大きく前に出てきたのは千夏ですね。1巻に比べてヒロイン度が急上昇。
なんでしょう、この、砕月の色々とだめな発言を、全て理解した上でさらりとあしらって冷静にツッコミを入れる千夏に、激しくときめきます。長年一緒にいる幼なじみだからこその距離感がいい。
基本的にツンモードが長いから、ほんのちょっとの微笑みにも破壊力があるんですよね。これは抱きしめたくなるわ。うん、仕方ない。


事件の犯人探しも楽しかったです。学校中から誤解を受けながら、女の子のために必死になれる砕月は、ゲスだけれどやっぱり格好良い。ただ、タマも言っているように、もうちょっと自分を大切にしてもいいんじゃないかなあ。
女の子を大事に扱うあまりに自分を低く見てしまうこの欠点が、この先の戦いに響いてきそうでちょっと怖いですね。
事件解決と共に思わぬ仲間(クズ)が誕生して、さらに賑やかになっていきそうです。タマさんのさらなるドSっぷりに期待。
ますます混迷を極める恋愛模様も、どうなっていくのか実に楽しみ。次回は何発の掌底とスタンガンとアイアンクローが飛び交うのでしょうか。


A・A・E・Eにデレる。これは新しい口説き方だ……!