まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

それがるうるの支配魔術 Game3:ファミリアル・リドル

ストーリー
学園内で最近語られる“三不思議”を調べることにした欧文研の一行。
ところが調査を進める彼らの前に、欧文研を目の敵にする、学園の生徒会長が現れる。
しかもその会長は、なんと言乃の実の兄であるらしく……。



頭をくるくる回しながら読むのが楽しい、魔法とパズルの学園日常ミステリー、第3弾。
意地悪な生徒会長との戦いは、部活ものの定番ネタですよね。


欧文研の前に立ちはだかったのは、言乃の兄にして学園のトップ、生徒会長の御堂。
いやみったらしく、上から目線で、そのくせ頭が回って、悪役としては実にいいキャラしてました。イライラさせられる。
愛しのるうるに対してのひどい言い草や、汚いやり方に、色々文句を付けたくなるのだけれど、そのたびに言乃が止めに入るから、ストレス溜まりっぱなしでした。
相手はこんなに嫌な奴なのに、よく我慢したなあ、丸。いえ、ところどころ我慢しきれていなかったような気もしますけど。
あの強気な言乃はどこに行ってしまったのでしょうか。いつもの彼女らしくなく、御堂の前で縮こまってしまう言乃が、じれったい。


いつもながら、謎解きは楽しかったです。うっすらと怖さが立ち込めていて、ホラーとまではいかないのだけれど、少し背すじがぞっとする、というくらいの謎の数々に、ドキドキさせられるのがとても好き。
一応答えが書かれる前に気付きたいと思って、それなりにヒントを探しながら読んでいるのですが、負けてばかりいます。
思い切りだまされて物語に振り回される方が、楽しんで読めるとは思うので、まあこれはこれで。
お、と思うのは、丸が首筋に違和感を感じているときですね。いい加減、首筋という単語を目にするだけで心臓が跳ねるようになりました。いや、それでも魔法が使われているということが分かるだけで、謎解きには至らないんですけれどね。


一時はどうなることかと思ったけれど、言乃が自分の思いを吐き出して、彼女らしさを取り戻すことができて、本当に良かったです。円満解決ですね。
ああ、やっぱりそれが伏線だったのか! 今までもそうだったから、絶対何かに絡んでくると思って、そこそこ注意していたつもりだったのになあ。
いつの間にか、気付かないうちにヒントが散りばめられていて、それらが最後に全てつながって、思いも寄らぬ解答が導きだされていくのには、見事のひと言しかありません。
犬海丸という奴は、まったくとんでもない男ですね。おかしいだろこの洞察力。一体どうなっているのやら。
裏でうごめく陰謀が動き出す気配。大きな変化が訪れる予感がします。欧文研の面々は、この変化にどう立ち向かって行くのでしょうか。今から楽しみです。


思いついたことがあるんです。
あとがきにあるように、今回は作中で「ルールズ・ルール」が登場せず、ちょっと寂しかったので、試しに私と「ルールズ・ルール」で勝負しませんか? お暇でしたら、ぜひ付き合ってください。
いつどこでやるのか、ですか?


「遅い。遅いよ、キミ。ゲームはもう、始まってるよ」