まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(9)

ストーリー
あの電波な姉・瑠璃に好きな人ができたらしいということを知り、驚く妹・日向。
どうせ脳内彼氏なのだろうと思った日向は、涙をこらえつつ、可哀想な姉を見守るのだった。
ところがある日、実際に姉の彼氏が家に姿を現して……。



それぞれ別のキャラの視点で描いた7本の短編が収録されている短編集。
本編じゃないこともあって後回しにしていたけれど、ううん、やっぱり面白い。


「あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使」は妹・日向から見た姉・黒猫のお話。
8巻の内容をほとんど覚えていなかったので必死で思い出しつつ読みました。とりあえず黒猫が可愛すぎてにやける。痛いけど。
京介に対してはもちろんですが、桐乃に対しても明らかにデレデレで、もうなんなのこの子。どれだけ悶えさせてくれるの。
思いをぶつけ合って、お互いに素直さが出てきて、桐乃黒猫はどんどんいいコンビになってきているよなあ。
あと京介。日向ちゃんまで毒牙にかけるのかこの男は。全く許しがたいですな。


一番笑ったのは「俺の妹はこんなに可愛い」。赤城視点のお話。
瀬菜の趣味はともかく、赤城と京介のシスコン自慢合戦がひどかったです。教室で何やってんのお前ら。
赤城は初めからこうだったけれど、京介はいつの間にここまで吹っ切れちゃっていたんでしょうね。もう手の施しようがないなこりゃ。
今回ばかりは麻奈実に全面的に同意しました。いやあ、実にキレのあるツッコミでしたね!
ところで、桐乃と瀬菜とどちらの方が可愛いかという話ですけれども、兄にひどい文面のメールを送っておきながらしっかり写メを添付する桐乃と、兄を勝たせるためにあんな行動に出てしまう瀬菜と、甲乙付けがたいところだと思います。
兄がシスコンならば妹もブラコンだということですか。きょうだいってこういうものだったっけ……?


「過ちのダークエンジェル」はあやせたん可愛いよあやせたんのお話。
京介はとてもモテそうもないように見えて、意外と全方向にモテるから、世の中とは不思議なものです。
これ、どう見ても脈ありだよなあ。誰がって、あやせたんが。
単純な可愛さでいえばやっぱり圧倒的だと思うので、個人的には応援していきたいんですけれども。アドバイザー的な役割から一歩抜け出せるかどうかが鍵ですね。
スペシャルゲストとして呼んだ現実の歌手にもえっちいハプニングを用意するあたり、主義が一貫していてとてもよろしいと思います。


「妹のウエディングドレス」で締め。安心と安定の京介桐乃エンド。
京介のこの行動力は見習いたいところではあります。でも世間体も大切ですのでここまではやりません。
振り返ってみれば、ほとんど京介のシスコンっぷりと桐乃のブラコンっぷりがフィーチャーされたお話ばかりでしたね。まあ一部、沙織の過去編などもありましたけど。
このふたりがどうなっていくのか、さっぱり先が読めませんが、なんだかんだ最後までこんな感じで行くんじゃないかなと、なんとなく思わされる1冊でした。


珠希ちゃんの出番がもっともっと欲しいですね。なでなで。