まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) (このライトノベルがすごい!文庫)

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) (このライトノベルがすごい!文庫)

  • ストーリー

老若問わず種族の壁さえ乗り越えて女を口説きまくるビョーキ持ち・望月砕月。
二股がバレて美少女ふたりから問い詰められながら、声高にハーレム発言をしてしまう始末。
そんな修羅場の日々の中、砕月は突然現れた謎の美少女・タマの「バグ退治」に巻き込まれてしまい……。


第2回このライトノベルがすごい!大賞<大賞>受賞作品。
どうしようもない主人公が女の子といちゃいちゃしては修羅場に陥っていくのが楽しいラブコメディです。
何やら応募時からのタイトル改変が凄くて話題になっていたようですが、いやあ、このタイトルで大正解だと思います。はい。


砕月は自分の意志に関係なく女の子を片っ端から口説いてしまうビョーキの持ち主。
プロローグからいきなり「僕の彼女」がふたり出てきて笑いました。これはひどい
女の子をどれだけ傷付けてもまだ懲りずに別の女の子を口説いてしまうゲスっぷり。バレたらとりあえず土下座。
これでモテるのが大変不思議なのですが、イケメンってやつは何をやってもイケメンになってしまうのか?
もっとも、自分で自分の発言が最低だと分かっている点で本物のゲスではないし、困っている人を進んで助ける優しさや格好良さも持ち合わせているのですが、表面的には十分にゲスでげす。
ヒロイン陣はどの娘も個性的。特に何人かは、ええ、とってもユニークですね。
正統派ツンデレ気味ヒロインの彼女その1・優沙ちゃんがとても可愛いです。
二股をかけられてショックを受けて、もう信じないと言いながらも、砕月の甘い囁きに結局押し負けて真っ赤になってしまう姿に悶えました。
しかし言っちゃ悪いですけど、結構チョロいですよねこの娘。いや、なりふり構わず口説ける砕月だからこそかもしれませんが。
彼女その2・静流先輩はおとなしくて清純な美少女だったはずなのに、いつの間にかヤンデレてました。あちゃあ。
魅力的な人なんでしょうが、すみません怖いです。めっちゃ怖いです。
拉致されて監禁されてもその女の子を全て受け入れて心から愛することのできる砕月さんは素直に凄いと思いました。二股ですけど。


ええと、バトル要素もあります。世界の“バグ”を“ウィザード”であるタマと共に“デバッガ”として打ち倒していくらしいです。
でも日常の修羅場のインパクトの方が強すぎて、正直バトルは二の次という印象が……。
戦うべき存在であるバグに対してさえ女の子なら迷わず口説く砕月。本当に見境ないな!
でも、敵を口説いて倒すというのはなかなか新しいんじゃないですかね。主人公としてどうなのという意見もあるけれども。
タマは砕月になびかない戦友という感じで、他のヒロインとは違って一歩引いているところが、逆にぐっとくる女の子だと思います。


駄目駄目主人公とヒロインたちとのやりとりが面白い1冊でした。
ちょこちょこ分かりにくい部分があったような気もしますが、基本的にはさらっと読めます。
修羅場で始まり、修羅場で終わりましたが、次巻も今回に負けない修羅場でニヤニヤさせてくれることを期待。


イラストは奈月ここさん。アップ多めのカットが印象的ですね。
土下座にドン引きするタマの顔がお気に入りです。


で、最強のヒロインは千夏ってことでいいですよね?