まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

赤い糸切れちゃうよ・・・。下巻

赤い糸切れちゃうよ・・・。下巻(萌え萌え文庫)

赤い糸切れちゃうよ・・・。下巻(萌え萌え文庫)

  • ストーリー

仲間割れを繰り返しながらも、なんとか無人島でのサバイバル生活を送る守田たち一行。
これはエコツアーなのだと譲らない守田だったが、拳銃や刀が配布されてから、委員長の説が信憑性を帯び始める。
そんなある日、守田は山で見知らぬ美少女に出会い……。


待ちに待った下巻。旅行のメンバーを集めるだけでほとんど何も起こらなかった気さえする上巻から、どんな展開へもつれ込むのかわくわくしながら読みました。
とりあえず装丁等についてですが、なぜかタイトルのフォントがポップなものにチェンジ。
真っ白だったカバー下にはうっすらと色がついてタイトルの印字が。
妙に大きかった本文の文字は小さくなりました。あとがき(?)もあります。
フォントはともかく、それ以外は上巻に比べれば、すこーしましになった、のかな?
評判を見て変えられるところだけ急いで変えたんじゃないかなんていう穿った見方もありますけど……。


内容はなんか凄い方向にぶっ飛んでいっちゃってそのままあれあれ、という感じ。
普通に淡々とサバイバルやってるだけのほうが良かったんじゃないかなとさえ思えます。
登場キャラは主人公とヒロインを筆頭にほとんど駄目なやつらですけど、このどうしようもないキャラたちが織りなす人間模様はそれなりに楽しかったし、個人的にはそれで十分だったのに。
何の伏線もなく、それも思いっきり説明口調で、いきなりこんな組織を登場させちゃうのは流石にどうかと。200ページほど遅いよ。
正直、終わりが近くなって収集がつかなくて、取ってつけたような設定を無理やりねじ込んだようにしか見えません。
それまでずっと平和にやってたのに、急に世界の改革がどうとか超能力と軍隊がどうとか言われてもねえ。
終盤は読んでて頭が痛くなりました。オチも結局それかよ! という感じで、いやいや、主人公とはなんだったのか……。
気のせいか、終わりに近づくにつれて文自体も適当になってきていたような。上巻はまだ読める文だったと思うのだけれど。
校正なんて多分存在しなかったんだろうけど、せめて推敲してください。私が言えたことではありませんが、小・中学生の先生に注意されそうな文がたくさん見受けられました。


あれだけ絵美を嫌って遠ざけていた守田が、なんだかんだで絵美のことを気にかけて、最終的にこのエンディングへとつながってくれたのは少し嬉しかったです。
ツンデレをこじらせすぎた最低男がいつも近くにいたストーカー気質幼なじみに根負けするお話、ということでまとめちゃっていいんじゃないですかねもう。
そう、つまるところ設定なんて二の次であって、守田と絵美の赤い糸がどうなっちゃうのかがこの物語の全てだったんですよ! なんだ、タイトル通りじゃないですか!
ハッピーエンドなのかそうでないのかさえよく分かりませんが、まあ稲垣よりは守田の方がずっとましでしょうから、一応祝福しておきます。
あー、これからもどうぞお幸せに?


それにしてもこのあとがきは……ええ……?