まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

バカとテストと召喚獣9.5

バカとテストと召喚獣9.5 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣9.5 (ファミ通文庫)

  • ストーリー

放課後、Fクラスにやってきた学園長から、新しい召喚獣設定の実験を依頼される明久たち。
新しい設定の内容は、生徒二人で一体の召喚獣を喚び出すというものだった。
明久と雄二で喚び出した召喚獣は、まるで二人の子供のようで……。


短編集第4弾。本編もまだ9巻ということを考えると結構なハイペースですね。
本編に勝るとも劣らない怒涛のギャグ回や、実に興味深い、キャラたちの過去話。短編集でもやっぱり面白い。


「僕と子供と召喚獣」は、生徒同士の子供をシミュレートするなんとも恐ろしい召喚獣のお話。
ドタバタとニヤニヤの連続でとても楽しいです。
姫路さんと美波は、なんとかして明久との子供を見ようと、周りを省みずに恥ずかしいことばを連発。
ここまでされてふたりの気持ちに気付かない明久はほんとどうかしてると思います。
雄二と翔子の夫婦っぷりはもう揺るぎないですねこんちくしょう。なんだかんだ言って子供といちゃいちゃする雄二が微笑ましい。
明久と雄二がヒロインズから逃げていた理由がまた可愛らしいではないですか。
秀吉の嫉妬のタイミングは相変わらずよく分からないな! 誘ってるとしか思えませんね。


「僕と姫路さんとある日の昼下がり」は、吉井家での姫路さんとの同居生活の一幕を描いたお話。
一緒にゲームやって、一緒に買い物に行って、一緒に料理を作って(?)、新婚さんか! とツッコミたくなるイベントだらけ。
明久のエロ本の趣味に「私は普通がいいので」「将来が不安」と返す姫路さんが鼻血ものの可愛さでした。そこでどうして気付かない明久ッ……!
いつの間にか軽口を言い合える関係になっていることに、お互い密かに喜んでいたりもしてて、もうなんて言うの、ニヤニヤしすぎて頬がひどいことになってる。
サービスシーンもきちんと用意されていて色々と満腹の回でした。
明久と姫路さんの過去に関する描写もちょっとだけ。多分あの髪留めに関することなんでしょうけど、いつ明らかにされるんでしょうね。気になります。


「僕と土屋家と揺れない心」は、明久と雄二がムッツリーニ家で冷静さを競うお話。
罰ゲームがあってもツッコミを忘れない、それでこそ芸人魂というものです……芸人じゃないけど。
美波が凄く頑張ってました。見ていて思わず泣きそうになりました。
ムッツリーニの兄妹たちが少しだけ登場しましたね。再登場に期待です。特に妹さん。


「俺と喧嘩と不思議なバカども」は、文月学園に入学したばかりの頃の雄二が明久たちと友人になるまでのお話。
7.5巻の美波のエピソードの裏側でこんなことが起こっていたんですね。そういえば回収されていない伏線があったっけ。
周りはどうでもいいという風にやさぐれていた雄二が、バカ正直な明久と接して少しずつ変わっていくのが素敵でした。
鉄人から逃げるときなどは、今の彼らを彷彿とさせるコンビネーションで、こうやって悪友関係が作られてきたのだなあと思うと、胸が熱くなるものがあります。


あとがきによれば、次回はいよいよAクラス戦ということでした。
1巻以来のこの試召戦争がどんな結末を迎えるのか、楽しみで仕方ありません。
もちろんAクラス戦ですから、雄二と翔子の関係にもまたひと展開、期待してもいいですよね?


パンツの話でお願いします。ぜひ。