まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! ウサギが呼びました!

  • ストーリー

謎めいた一通の招待状を読んだ瞬間、完全無欠な異世界に飛ばされてしまった逆廻十六夜
隣には同じく飛ばされてきたらしい猫を連れた無口な少女と高飛車なお嬢様、そして彼らを呼んだ張本人の黒ウサギ。
箱庭世界のルールを説明しようと、3人との会話を試みる黒ウサギだったが……。


もう初っ端から色々無茶苦茶でツッコミどころ満載。なんだこれって感じですけど、その無茶苦茶っぷりが面白くて笑ってしまいます。
あちらこちらで良い評判を聞くので手に取ってみたのだけれど、人気が出るのも分かるなあ。


この作品の最大の魅力はやっぱりキャラではないでしょうか。
とりあえず問題児3人が凄い。それぞれ人間とは思えない能力を持っているのですが、第一いきなり異世界に飛ばされて平然としてる時点でおかしい。
一応主人公らしき立ち位置の十六夜は、とにかく尋常じゃない身体能力の持ち主。なんか素手で神様と戦ったりしてます。
敵をぶん殴って空の彼方へ飛ばしたり、なんとなく大地をたたき割ったりと、何が何だか。
一見短絡思考の猪武者タイプに見えて実はきちんと先を読んでたりもして、もうこの主人公が負ける未来が見えない。
魔王を打倒する話のはずなのに主人公が誰よりも魔王っぽいってどういうことだよ。
個人的に一番好きなのは高飛車お嬢様・久遠飛鳥ですね。高飛車といっても3人の中ではわりと良識人ですが。
彼女の能力は自分の命令を他人に強制するというもので、力が通じる相手に対してはほぼ無敵。
ことばひとつで敵をねじ伏せていく姿が最高にクールです。命令されなくてもひざまずきたくなりますね! ぜひ下僕にしてください!
3人目は動物と会話する能力を持つ少女・春日部耀。
異種の生物たちと友達になることで、その生物の力を行使できるようになるらしく、かなり使い勝手のいい力だと言えましょう。
今回はグリフォンが登場しましたが、なんといってもファンタジックな異世界。竜や不死鳥などもいるだろうし、これからさらに期待の能力ですね。
この3人が、ただの人間とあなどられながら、尋常ならざる力の持ち主たちをばったばったとなぎ倒していくのが実に爽快でした。


そんな荒唐無稽な3人組を呼んだのは、作中きってのいじられキャラである黒ウサギ。
彼女自身かなりの力を持っているのですが、周りのキャラが濃すぎてもっぱらツッコミ役に。
天真爛漫で打てば響くツッコミ、いじりがいがあるというか、ちょっといじめたくなるおいしいキャラだと思います。
他にも、世界を作り変えちゃうような元・魔王の和装ロリ少女・白夜叉、純粋な吸血鬼たる元・魔王の金髪ロリ少女・レスティアなど、個性的かつ魅力的なキャラだらけ。
どのキャラにも豊富な設定があって、この1冊だけではとても足りません。
キャラの面白さっていうのはやっぱり話の面白さに直結することだと思うし、この物語はまだまだ面白くなっていきそうな予感がします。
とにかく十六夜のチートすぎる強さの秘密が気になるところ。恋愛要素があるかどうかはまだ微妙ですけど、そっちにも少々の期待を込めて、早く次が読みたいですね。


イラストは天之有さん。キャラだけでなく幻獣なども丁寧に描かれています。
表紙の黒ウサギは見れば見るほどエロく見えてきますね。うむ、いい足。


よく分からないけど、作者は第三宇宙速度萌えなのかな?