まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

生徒会の水際 碧陽学園生徒会黙示録4

  • ストーリー

杉崎が楽園のチケット「優良枠」を手にする前、まだ高校に入学したばかりの頃。
初めてギャルゲーを買うために入ったゲームショップで、杉崎は1人の毒舌女性店員に出会う。
夏に再会した彼女・水無瀬流南は、なんと同学年のトップ成績保持者だった……。


ここに来て新キャラ大放出の外伝第4弾。
短編2本と中編2本が載っているのですが、中編はどちらも生徒会外がメインのため、生徒会メンバーの出番が今までになく少ない巻になっていると思います。
特に会長と深夏に至っては影が薄すぎてもうどうしたら。
まあ本編ではいつも生徒会メンバーばかりだから、たまにはいいのかもしれません。


第2話は真冬ちゃんが在籍する1年C組の話。語り手の少年は新登場、ヒロインの女の子も新登場。
生徒会の外の話は歓迎だけれど、今更新キャラ同士の恋の話はちょっとなあ。誰が得するんだろうという感じです。
語り手の秋峰も杉崎に比べるとやっぱり面白みが落ちるし、真冬ちゃんはいつも通りたいそう可愛かったけどいまいち空気気味だし、うーん。
真冬ちゃんにベタ惚れなクラスのノリは楽しかったですけどね。クラス全員にBL趣味がバレていながら断トツの人気を誇るとはさすが真冬ちゃん。
秋峰は秋峰で、地味に中目黒くんの対抗馬っぽくなってましたけど、今からあの清純派ヒロイン(?)に勝つのは難しいんじゃないかなあ!


第3話は1年生の頃の杉崎の話。結構重要なエピソードではないかと思います。
気力をすっかり失っていた杉崎が、今の生徒会メンバー4人や宇宙兄妹と出逢って大きく成長を遂げた1年。
しかし実はもう1人、杉崎に大きな影響をもたらした人物がいたのだということが、この話で明らかにされました。
ということで登場したのが新ヒロインの水無瀬ですけれど、今まで出てこなかったのがもったいないくらい素敵なキャラでした。
無表情に冷たい視線を浴びせながら淡々と毒舌を吐くクールビューティーですが、それでいて、実は誰より杉崎のことを分かっているような気もします。飛鳥や林檎は除いてですけども。
攻略対象としてではなく、ライバルとして、杉崎の中で大きな部分を占めていた彼女。
今の杉崎にとってどのような存在なのかはまだ分かりませんけど、個人的には、彼女が最終的なヒロインでも構わないとさえ思えます。再登場に期待したいところですね。


第4話は知弦さんが1人で暴走する短編。
ああ、あの頃の孤高で気高かった知弦さんはどこへ。いや、今の方が好みですよ。
多少は駄目な部分があった方が可愛げがあっていいですよね。
ああ、ゴスロリも素晴らしかったけれど、どうせ知弦さんが着てくれるならやっぱりバニーの方が……。


今回のあとがきは生徒会メンバー執筆でした。まあ出番少なかったしね!
次もまた外伝らしいので、気楽に待ちたいと思います。