まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ランジーン×コード tale.2 Dance with The Lang-Breakers

ランジーン×コード tale.2 (このライトノベルがすごい!文庫)

ランジーン×コード tale.2 (このライトノベルがすごい!文庫)

  • ストーリー

事件から1か月が経ち、“くるみの家”に引き取られた由沙美を温かく迎えるロゴたち。
そんな折、都内に<破詞>と呼ばれる謎のコトモノの集団が出現する。
踊りを通じて他のコトモノを次々と<破詞>化させていく彼らの正体とは……?


相変わらずの難解な設定に振り回されながら読みました。
ページ数はだいぶ減ったけれどボリュームはそれほど変わっていない。つくづく重たい作品だなあ。
それでも説明が減っていたのか、それとも1巻で慣れたのか。以前に比べて、わりと話が頭に入りやすくなってきたような気がします。
前回の内容を丸々忘れていたのでちょっと時間はかかりましたけどね。


謎めいたダンス集団からどんどん派生していくダンスの輪。
調査していくうちに重大な事実が明らかになり、解決のためにロゴは走り回り、その影であらゆる組織がうごめく。
巻き込まれる由沙美、そして予想外の犯人の正体。
複雑に絡み合う人物たちや、どんどん展開していく状況。
それらが終盤へ行くにつれて、次第にひとつの真実へと収束、まとまっていく様子が見事でした。


今回良かったキャラはなんといっても由沙美ですね。
特殊な育ち方をしたため、繋がりや絆といったものが分からなかった彼女。
それでも由沙美は、遠回りをしながらも、自分で自分の居場所を見つけ、道を選び、気持ちを確かめていきます。
小学6年生の身には辛すぎる環境だけれど、それでもきちんと前を向いて歩いてゆける、その健気な強さが愛おしい。
もちろん彼女ひとりで全てを乗り越えたわけではなくて、ロゴや眞子、キツネなど、周りの温かい人々の助けがあったからこそ、なんですよね。
ロゴはまたひとりで頑張っていたのですが、どうも空回り感がなあ。まあ結果は出しているのだから、そこに文句を言っても仕方がないのですけど。
なんであそこまで物語に執着するのかがしっかりと描かれていないように思います。
ロゴの行動原理というか、ここまでロゴを駆り立てるものがなんなのかをこれから描いていってほしいですね。
さらなる黒幕の姿も見え隠れしてきて、次の巻が楽しみなところです。


赤面由沙美が素晴らしく可愛かった。小学6年生との恋愛は……アリなのかな?
あと最終ページは卑怯でした。ちくしょう。