まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

GOSICK―ゴシック― 第1話「黒い死神は金色の妖精を見つける」

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

アニメGOSICK・第1話を試聴。
来たるアニメに向けてGOSICKを一気読みした結果、この作品が大好きになっていましたので、一種異様なハイテンションで放送を見ていました。
テンションが収まらないので久しぶりにアニメ感想など書いてみたいと思います。
以下盛大にネタバレをしているので注意。


アバンから大量に噛み殺されていくうさぎ。
よく考えたら今年はうさぎ年でしたね。いや別にどうでもいいのですけど。
オープニングは疾走感溢れる曲と共に水彩調の絵柄がテンポよく入れ替わっていくもので、大変素晴らしかったと思います。
原作の色んな人物や場面が登場して思わずニヤニヤ。これだけでも事前に原作を読んだ甲斐があったというものです。
本編が始まり、ソヴュール王国や聖マルグリット学園の外観が明らかに。
詳しい景色や建物の形状が分かるのは、アニメ化で最も嬉しいことのひとつですよね。
中でも図書館塔が素晴らしかった。迷路階段に、天井のフレスコ画。最上階の植物園。
アルプス山脈や、後に出てくるソヴレムの街並みなどもそうですが、細かい美術に気を配っているのが伝わってきました。ヨーロッパの空気感がよく出ていると思います。
そして遂にヴィクトリカが登場。
声優は悠木碧さん。可愛らしい声の印象が強かったのですけれど、意外にもイメージに合っている。
原作にあるように「まるで老人のような、しわがれて低い声」ではないものの、低く抑えた静かな声がぴったりです。
時々ドキッとするほど重々しく響くことがあって、そこがまたヴィクトリカっぽくていいんですよね。悠木さんのファンになりそうだ。
これがアニメでのヴィクトリカと九城の出逢いということで、どうやら「GOSICKs」の内容は飛ばすようですね。
仕方ないことだけれど、残念なのは、2人が偶然から次第に仲良くなっていく過程が描かれていないことです。
誰にも興味を示さないはずのヴィクトリカが、いきなり現れた九城と、何の脈絡もなく慣れ合ってしまうのはやはり不自然でした。
ブロワ警部も見知らぬ九城に対して事件の話をし出してしまうし、そもそもどうして警部が図書館塔へやって来たのか説明できないし、やっぱりこれはちょっとなあ、という感じ。
ああ、ブロワ警部の髪型はアニメで見ると破壊力が倍増しますね! 話しながら髪をいじられると気が散って仕方がない!
最初の事件は全部映像で見せて欲しかったかもなあ。最初の銃声の部分が映像化されていないから、トリックが分かり易くなっているような気がします。
謎を解くときのヴィクトリカも気になりました。立ち上がってブロワ警部の方をじっと見てましたけど、仲が悪いブロワ警部を注視するのはおかしい。
そっぽを向いて座ってパイプをふかしつつ、本でも流し読みしながら、謎を解いて欲しかったですね。
良かったのはなんといっても、ヴィクトリカの愛らしさ。
ゴロゴロヴィクトリカにふくれっ面ヴィクトリカ、街の風景に目を輝かせるヴィクトリカ。なんだこれ可愛すぎる。
私もほっぺつんつんしたい!
ところで九城が、ほっぺつんつんの言い訳に「日本の遊びでこういうのが」と言っていましたけど、アニメでは日本と断定しちゃうんですね。
原作ではどこにも日本とは書いていなくて、多分意図的に「極東の島国」としか書かれていないので、あっさり日本と言ってしまったのには驚きました。
作者の深い考えが潜んでいるのだと思っていたのですが、まあアニメだし、単純に日本の方が分かりやすいと考えたということなんでしょう。
海へ着いた2人を待っていたのは水夫服をきたブロワ警部。
やはりアニメになるとブロワ警部は画面に映えますね。
動きがいちいち楽しいし、ナイスポーズがビシリと決まっています。「美人だ」のくだりも面白かった。
クイーンベリー号に乗り込む2人と共にエンディングへ。
と、ここで気付く……アブリルの出番は?
原作ではアブリルの怪談によってクイーンベリー号という名前を強く印象づけているのに、アニメでは九城が図書館で読んだ本にチラッと出ているだけ。
これもちょっと、謎の幽霊船へのドキドキ感が少し足りないような気がします。まあ雷でおどろおどろしさは演出していましたけどね。
まあそれはともかく、アブリルはいつ出てくるのでしょうか。もうしばらく登場機会がないと思うのですが。
ああアブリル、ただでさえ可哀想な立ち位置なのに、アニメでもそんな扱いなのか。登場を待ってるよ。
エンディングは、初めは静かに、次第に力強くなっていく曲調が、作品によく合っていて、これまた素晴らしかったです。
次回予告のヴィクトリカが面白かったなあ。芸達者ですね!


さて、色々とありましたけど、全体的に見れば満足の第1話でした。
今のところ今期のアニメで一番楽しい。どうやら2クールらしいということで、ひとつひとつのお話を丁寧に作ってくれるといいな。期待してます。
あと、できたらフランス語で見たい。DVD特典で……無理か。