まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット

  • ストーリー

遂に姿を見せた《死銃》に辛い過去を掘り起こされ、動揺を隠せないキリト。
そんな彼を尻目に、VRMMO中の注目を集める一大イベント、《BoB》決勝が幕を開ける。
数多の強敵がひしめくバトルロイヤルの中で、《死銃》への接触を試みるキリトだったが……。


ファントム・バレット』編が完結。
今回はゲーム内のみならず、現実世界のことも多めに描かれていたせいか、結構なボリュームがありました。
現実パートでは相変わらず、生理的嫌悪をもよおすような、いやらしい人間が登場。
敵はとことん敵として描いていますよね。だからこそ爽快感があるのかもしれませんが。
ただ、現実なのにどこか現実味が薄いような気がするのはなぜなのでしょう。
ゲーム内でなら気にならない都合のよさみたいなものが、現実で起こるとどうもしっくりこないというか。
むしろゲーム世界の方がリアルに思えるんですよね。この作品がゲームを中心にしている、と私が感じている、からなのかな。


一方のゲーム内。
不気味極まる死銃事件の中、姿を見せず、唐突に現れては命を奪っていく敵がこの上なくおぞましい。
キリトやシノンが死銃と対峙したときの恐怖や緊迫感、臨場感は、あたかも実際に戦場に立っているかのように感じられます。
迫力のアクションシーンはいつもながら見事のひと言。キリトはやっぱりレベルが違うな! もっとガンガン行っても良かったくらいです。
過去に共通の苦しみを抱えているキリトとシノン
消えない記憶に苛まれ、傷つきもがきながら、なおも戦い続けることを選ぶ彼らは、格好いいけれど切ない。
それでも、キリトと接することで少しずつシノンが立ち直っていく様子は心を打つものでした。


そしてシノンも魔の手にかかったと。
ええと、一体何人ヒロインを作れば気が済むんですかね彼は。
もう正ヒロインがいたと思ったのですが。勘違いでしたか?
何はともあれ、次はその正ヒロインさんのお話になるそうです。せっかくの挽回のチャンス。頑張ってほしいですね。


猫耳シリカが可愛くて仕方ない。