まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

踊る星降るレネシクル

踊る星降るレネシクル (GA文庫)

踊る星降るレネシクル (GA文庫)

  • ストーリー

ともに格闘術を学んだ少女・沙良瑞貴を追って、ミカホシ学園にやってきた連動レンヤ。
そこは指輪「レネシクル」を用いた闘いが日常的に行われ、闘いが全てに優先する世界だった。
困惑するレンヤの前に、不思議なほっぺを持つ少女・舞波すまるが現れ……。


最初から最後までとことんバトルバトルバトル。
事前に話は聞いていたのですが、予想以上に熱血まっしぐらな作品でした。


空手家 vs. ひきこもりといったように、ジャンルの違う達人同士が、レネシクルから供給されるランカースキルによって強さを競う……のですが、正直システムがよく分かりません。
ランカースキルっていうのは結局なんなんでしょう。
色々と種類はあるみたいですけど、そのわりには、ランカースキルを使った闘いでも、最終的に物理的な喧嘩になってしまっている気がします。
その辺はなんとなく全てが暴力につながっているようで嫌ですね。
学園の生徒たちもそうです。お前らそこまで喧嘩がしたいのかと思ってしまう。
まあランクが上がれば特権があるし、闘いに夢中になるのも分からないではないけれど、同じように闘いに一生懸命なすまるを笑いものにするのはどうなんだろう。
もっと他に目を向けるべきところがあるんじゃないのか。


そんな過酷な状況の中、ひとり星降りの修行に明け暮れるすまるの姿はとても健気でした。
頼れる相手がおらずに母の面影を追い続けていたすまる。
その前に自分を肯定してくれる相手が現れる。頼らずにはいられないでしょう。
自分のために、母のために、そして師匠のために頑張り続ける。純粋に応援したくなるキャラだと思います。
本音が出てしまうほっぺがまた魅力的ですね。
表れる気持ちがいちいち可愛らしくて頬が緩んでしまいます。


レンヤは情けないところもあるけれど、なんだかんだでいいやつなんだろうなあ……。
すまるを母の幻影から解き放つために取った行動はどう考えてもやりすぎだと思いますけど、その後ですまるをかばったのは格好良かったです。
レネシクルを手放せなかったり、トラウマに悩まされたりと、基本的に不器用なんでしょうね。
学園の人物は瑞貴やカタナをはじめとしてほとんど好きになれません。
しかし乾闇鳴はいいキャラでした。一番好きかもしれない。
ギャグキャラとしても楽しいし、全ては愛のためにという生き方も素敵じゃないですか。ぶっ飛んでるけど。


色々と無茶な部分もありましたが楽しめました。
次は恋愛方面にも期待したいですね。特にほっぺに。


やっぱり宗教って怖いな。