まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

狼と香辛料ⅩⅤ 太陽の金貨<上>

  • ストーリー

ホロの仲間の名前を冠す「ミューリ傭兵団」に会うため、レスコの町を訪れたロレンスたち。
町を牛耳っているのは、武力を集めて戦を起こそうとしていると噂のデバウ商会。
ところが意外にも、町は活気に溢れた平和な様子で……?


長く続いたこの物語もいよいよ大詰めへ突入。
ヨイツを目前にして最後の商売といったところでしょうか。
しかしこの作品、やりとりや商売のややこしさのせいか、妙に読むのに時間がかかるんだよなあ……。


何をおいてもロレンスとホロのいちゃいちゃが目立ちました。
いつの間にかこんなに仲が進んでいたんですね。
コルがいなくなり2人の関係がよりはっきりと見えるようになったので特にそう感じるのかもしれませんけど。
相変わらずの軽妙なやりとりにはニヤニヤしますが、どちらかといえばやれやれと軽く呆れながら眺めたいような気分です。
長年連れ添ったカップルみたいですね。


傭兵団に会うのが主目的だったはずなのに、いつの間にかまた新たな商売に燃えているロレンス。
そして今回、ロレンスはとても大きな決断をします。
きっと昔の彼ではこの決断をすることはできなかったに違いない。
それだけ彼が成長したということ、そしてその陰にはホロをはじめとした多くの人との出会いと別れ、支えがあったのだということを思うと、なかなか感慨深いものがあります。
そしてこの決断に、物語の終わりが近いことを改めて感じました。
なんだかんだでずっと楽しんできた作品だけに淋しいです。すぐに終わるというわけでもないんですけどね。


何もかもがうまくまとまったようで、これでなぜ上下巻なのかと思っていたら、最後の最後に待ち構えていらっしゃいました。
なんとも気になる続き方ですね。下巻が待ち遠しい。