まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精

  • ストーリー

人間が妖精を使役するハイランド王国。
少女アンは、一流の銀砂糖師だった母を亡くし、あとを継ぐことを決意する。
王都で開催される品評会に出るため、旅の用心棒として、美形で口の悪い戦士妖精・シャルを雇ったアンだったが……。


初めて少女小説に手を出してみました。
Twitterでお勧めされたので買ってみたのですが、自分でも驚くくらい抵抗なく買えました。少し前なら多分ためらったと思います。
これが慣れってやつか。


いかにも少女小説といった感じですね。初めてでもなんとなく分かります。
アンの可愛さよりもシャルの美麗さを細かく描写していたり、ヒロインが1人で周りは男キャラばかりだったり。
ちょっと不思議に感じますが、男性向けラノベを女性が読むとこんな気分になるんですかね。


ストーリーは綺麗にまとまっていたと思います。読みやすかったし。
妖精を使役することに抵抗をもつアンと人間に心を閉ざすシャルが次第に打ち解け合っていく様子が素敵ですね。
恋愛要素はまだ少なめですが、これからそちらの方面でも盛り上がっていくのでしょうか。
アンが母の砂糖菓子を乗り越えていく過程も良かったです。猿まねではなく自分で作ってこそというあたりには職人の心のようなものを感じました。
次はどんな砂糖菓子が出てくるのかわくわく。


アンは素直でまっすぐで好感が持てます。主人公らしい主人公と言いますか。
一種の天才ですが、菓子作りの努力を惜しまず、砂糖菓子に対しての心持ちも誠実です。純粋に応援したくなりますね。頑張れ女の子。
シャルはとことんイケメンキャラでした。冷たい王子様といった感じですか。妖精ってところがまた。
他のキャラもそれぞれの魅力を持っていましたが、特に注目したいのはヒュー。
おいしい立ち位置ですね。次巻以降の活躍にも期待。


イラストはあきさん。繊細な絵柄がこの作品にぴったりだと思います。
カラーピンナップがないのが実に惜しい。