10歳の保健体育

10歳の保健体育 (一迅社文庫 た 1-2)

• ストーリー

ある日、ほぼ一人暮らし状態の高校生・姫武静姫を訪ねてきたのは、10歳の少女だった。
「こ、こんばんわ。今日からここの子供になります。はみる、と言います」
お嬢様幼なじみ、甘々従姉なども巻き込んではじまるドタバタな日常とは。


Twitterで話題があまりに沸騰していたのでついつい購入。
ネタとしてこれ以上ないくらいインパクトの強いタイトルと表紙ですよね（笑）


ええと、想定していたほどひどくはなかったです。
まあ確かに男子小中学生が好みそうな単語を連呼していますが、竹井先生ですから。うん、仕方ない。
静姫がロリコンではない（今のところは多分）から、それほど問題のある展開にはならないで済んでいますね。


いくらかキャラが登場しますが、どのキャラも色々と残念です（笑）
静姫はわりと（ラノベでは）よくある程度のエロ高校生ですが、翠蓮はごく一部の人間に対して以外は好感度ゼロの高飛車お嬢様だし、荘川はロリ系だけれど全身筋肉だし、それが悪いとは言いませんが、よくあるヒロイン像とは結構なずれがあるように思います。
翠蓮にも荘川にもそれぞれいじらしくて可愛らしい部分があるんですけどね。
一方の小学生たちは普通に可愛いです。はみるは素直ないい子だし、宮澤はもしかしたら一番の萌えキャラかもしれません。
ラスト付近では静姫がちょっと怪しい雰囲気になっていましたし、次からははみるも本格的にヒロインとして参戦しそうです。


竹井作品といえば妙なノリのギャグ。
地の文と会話文が変にリンクしたり、語り手は主人公のはずなのに明らかに作者自身でツッコミを入れていたり、逆にボケていたり。
正直このギャグばかりはなかなか慣れません。単純に好みの問題なのでしょうが……。
ずっと会話でボケの連鎖をしていたのに最終的に地の文で落とされたりすると、どうも居心地が悪くなります。
ギャグ自体は結構笑えたりするんですけどね。


ストーリーは予想外なくらいきちんとしていました。
宮澤とはみるの友情、荘川のコンプレックス、翠蓮の嫉妬、はみるの初潮、静姫の過去の部分などはかなり現実味があったと思います。
「東京皇帝☆北条恋歌」と同じようにギャグテイストながら実はシリアスという展開になっていくのでしょうか。
個人的にはあまり重くならないでいてくれるといいのですが。


とりあえず表紙とタイトルで引いてしまうには色々ともったいない作品だったと思います。
迷っている方は、ネタとしてでも構いませんから試しに手に取ってみてはいかがでしょうか。