まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ミスマルカ興国物語Ⅶ

  • ストーリー

聖魔杯の紋章を求めてマヒロ達が向かったのは神殿教団。
しかしそこでは、急進派のクラウディス枢機卿が新教皇となって"聖戦"を発動していた。
聖騎士に追われ追われて"預言者"に出会った一行だったが……。


困ったなあ。
今まではだましだまし読み進めてこられましたが、そろそろ限界が近づいてきたようです。
何がと言えば、「お・り・が・み」を未読であることです。
預言者が登場して以降、中盤から終盤にかけてはさっぱり訳の分からない展開が続きました。まさに置いてけぼり。
「お・り・が・み」や「マスラヲ」読者にとってはたいそう楽しいでしょうし、分からなくても分からないなりにストーリーは追っていけるのですが、どうにも心から楽しめません。
「実はこのキャラは前作にも出ていたんだ」というような隠し味レベルなら構わないのですが、完全にストーリーに組み込まれてしまっているのでどうしようもない。


ストーリー的にも段々僕の好みから外れてきたような気がします。
最終章はあまりに悲惨でした。
ミサイルを落とされて戦争に完全敗北し、父はあのような姿となり、周りの人はみな帝国のスパイだったというどうにも救いの見えない結末。
これで第一部が終わってしまうのか。悲しすぎる。
最終ページには次のようなことばがあります。

ここでバッドエンドとなるのは、よくできた勇者の物語。
これがバッドエンドとなるのは、よくできた英雄の物語。


だがこれは、ただ一匹の若き蛇の物語。

言っていることは分かりますが、僕はどちらかと言えば分かりやすいハッピーエンドが好きです。「よくできた勇者の物語」の方が好きなのですね。
登場人物に共感して楽しい気分になりたいので、登場人物が(僕から見て)不幸になるのはどうも苦手です。
よく作りこまれた物語ですし、細かいギャグなどは面白いとも思いますが、ちょっと僕の趣味とは違う方向に行きつつあるのかなと感じました。


一方で勇者達の戦いは圧巻でした。特にランデルディーの言葉は胸を打ちます。

綺麗事でなければ!!

そう、やれるかやれないかとか、リアリティがどうだとか言う前に、まず心しておくことがある。そんな風に思います。
そしてアズレセウス。剣としてのあり方と自分の心との葛藤、クラウディスを斬らなかった信念。とても格好良かったです。
カラーピンナップのイラストもいい。ともぞさんは本当に男性キャラを格好良く描かれますね。


色々あって星3つになりました。
第二部からはシリアスモードというわけではなく、今までのノリに戻るということなので、まだ読み続けてみます。
とりあえずいつ「お・り・が・み」を読むか。それが問題だ。